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文人たちが憧れた木米の個性あふれる名品を公開『没後190年 木米』2月8日 (水)より開催

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重要文化財《染付龍濤文提重》木米 一具 江戸時代 19世紀 東京国立博物館 Image: TNM Image Archives 【通期展示】

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江戸時代後期の京都を代表する陶工にして画家である文人・木米(もくべい/1767〜1833)の没後190年を記念して、その生涯と芸術の全貌をたどる展覧会が、2月8日 (水)から3月26日(日)まで、東京・六本木のサントリー美術館で開催される。

木米の時代の「文人」とは、中国の文人の詩書画の世界に憧れをもち、中国の学問や芸術の素養を身につけた人々のこと。京都祇園の茶屋「木屋」に生まれた木米は、10代の頃から儒学者・高芙蓉(こうふよう)のもとで篆刻などを習うと同時に、古器物の鑑賞もたしなみ、文人としての修養を積んでいく。

30代で中国の陶磁専門書『陶説』に出会った木米は、その書の翻刻を手がけつつ、本格的に陶業に打ち込み始める。京焼の奥田頴川(おくだえいせん)に学び、のちに京都の青蓮院の御用焼物師を許されて、名工としての才能を発揮。50代後半からは、絵画にも精力的に取り組んだ。

同展は、中国の書籍や古陶磁の研究を土台として、広い視野から個性あふれる作陶を行った木米の煎茶器から茶陶まで、多岐にわたる名品を一堂に紹介するもの。中国、朝鮮、日本の古陶磁から着想を得るも、外見を忠実に写し取るのみにはとどまらず、様々な古器から抜き出した形や文様を独自の視点で再構成し、ときに遊び心も発揮して新たな美をひらいていく創造性が木米の焼き物の特徴だという。

同展でもうひとつ焦点があてられているのは、同時代の文人たちがお互いの個性を尊重しながら構築したネットワークである。親友画家・田能村竹田(たのむらちくでん)、儒学者の頼山陽(らいさんよう)、僧の雲華(うんげ)、蘭方医の小石元瑞(こいしげんずい)など、親しい文人たちと交わした書簡や書画からは、その博識ぶりやユーモアが敬愛を集めていたという木米自身の人柄も見えてくる。特に木米の絵画は、友人への贈り物とした山水図が多いという。清らかで自由奔放な画風も魅力的だが、交友関係や人柄も想像しながら鑑賞すると、しみじみとした味わいがより増すに違いない。

<開催情報>
『没後190年 木米』

会期:2023年2月8日(水)〜3月26日(日) ※会期中展示替えあり
会場:サントリー美術館
時間:10:00~18:00、金土・2月22日(水)、3月20日(月)は 20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:火曜(3月21日は18:00まで開館)
料金:一般1,500円、大高1,000円
公式サイト:
https://www.suntory.co.jp/sma/

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