フォーリミ×オーラル×ブルエンが辻村勇太の門出を祝福、歓声響いた2年ぶり「ONAKAMA」
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04 Limited Sazabys、THE ORAL CIGARETTES、BLUE ENCOUNT。(撮影:ヤマダマサヒロ)
04 Limited Sazabys、THE ORAL CIGARETTES、BLUE ENCOUNTによるライブイベント「ONAKAMA 2023」が2月10日に東京・日本武道館で開催された。
「ONAKAMA」はインディーズ時代から交流のあるバンド3組によるライブイベント。2016年8月に東京・新木場STUDIO COASTで初開催され、2021年には「ONAKAMA 2021」と題して愛知、大阪、福岡の3都市で行われた。
2021年は前年に続き新型コロナウイルスの感染拡大により不要不急な行動が制限され、音楽業界が苦境に立たされた年。そんな年に行われた「ONAKAMA」の福岡公演ではブルエンの田邊駿一(Vo, G)が、開催を悩みながらも3組で話し合い、「ライブは人生において必要不可欠なもの」という結論を出して実施を決めたことを吐露した。今回の「ONAKAMA 2023」は1月の政府方針の変更に伴い公演ガイドラインが改訂され、マスク着用のうえでの声出しが可能に。3組はオーディエンスの大歓声に包まれ、晴れやかな表情でパフォーマンスを行った。
トップバッターを務めたのは2017年6月のワンマン以来、約6年ぶりに2度目の日本武道館に立つオーラル。冒頭から「リコリス」「Shala La」と重低音が印象的なナンバーを連投して観客のボルテージを上げていく。彼らの気迫に満ちたパフォーマンスで場内に熱気が立ち込める中、山中拓也(Vo, G)は、活動拠点をアメリカに移すことを発表しているブルエンの辻村勇太(B)について触れ「音楽家を辞めてチンピラに転向されるみたいで」とボケつつ「しっかりみんなも送り出してください」と観客へ語りかけた。
オーラルはロック、ヒップホップ、EDMなどさまざまな性質を備える「BUG」でオーディエンスを踊らせるも、山中はまだまだ満足し足りないといった様子で観客を煽り、「BLACK MEMORY」を力強く歌い上げた。その後オーラルは2月8日に配信リリースしたばかりの、哀愁漂うメロディと力強い歌詞が印象的なロックチューン「Enchant」でバンドの最新のモードを打ち出した。盛り上がる客席を見渡した山中は、「こういうふうに歓声が飛んでくる感じ、ひさしぶりでございますから。ラストスパート、思いっきり浴びせてもらっていいですか!」とさらに焚き付ける。オーラルは人気曲「カンタンナコト」「狂乱 Hey Kids!!」でヘッドバンギング、「5150」で大合唱を巻き起こし、存分に場内を温めて次のアクトへとバトンを渡した。
バトンを受け取ったフォーリミも、日本武道館に立つのは2017年2月のワンマン公演以来、約6年ぶり2度目となる。昨年10月から今年2月にかけて、36公演におよぶ全国ライブハウスツアーを開催中の彼らは、各地で培ったバンドとしての筋力を発揮し、安定感のある演奏を披露した。フォーリミは昨年10月にリリースしたアルバム「Harvest」より、前向きな歌詞のアッパーソング「Keep going」で好調な滑り出しを見せ、「Kitchen」「midnight cruising」とリズミカルなライブ定番曲を続けてオーディエンスを楽しませた。
遊び心のある展開の「Galapagos II」を経て、GEN(B, Vo)は「ここ3年くらい、生き甲斐を味わいづらい、『ライブに行ってくる』と言いづらい、そんな世の中だったと思います。やっと長いトンネルを抜けそうです。今年はみんなで反撃の狼煙を上げていきましょう!」と語る。その後GENが「地平線の向こう側に行く辻村の未来が、きらきらの光であふれますように」と辻村にメッセージを送り、フォーリミは「Horizon」を演奏。清涼感のある音色や「地平線を越え届けたいよ 始まりの光浴び 旅路を行く」という歌詞を辻村に贈った。最後に4人は「monolith」「swim」とキラーチューンを連投してオーディエンスを熱狂させ、予定していたセットリストに入っていなかった「Remember」を届けてステージをあとにした。
トリのブルエンはスケール感のある「1%」でライブをスタートさせる。続く「HAPPY ENDING STORY」で田邊の伸びやかな歌声が響き渡ったところで、袖をカットオフした「ONAKAMA 2023」のグッズのTシャツを着用した辻村が「ONAKAMA!」とコールを始める。彼がオーディエンスのボルテージを十分に高めてから、ブルエンはドラマティックなメロディ展開の「NEVER ENDING STORY」を披露した。さらに「KICKASS」をパワフルにプレイし、「LIVER」でタオル回しを激発させて場内を熱気で満たした。「『ONAKAMA』またやろうね。俺らにとって大事な居場所です」という田邊の言葉から演奏されたのは「PLACE」。ベースの音色がフィーチャーされ、辻村は胡坐をかいて楽しげな表情で愛機をかき鳴らした。
田邊は3組の過去を振り返りつつ、「俺たちは出会った頃には想像もしていなかったような未来の上に立ててる」と感慨深げな表情を浮かべる。彼は話題を辻村の渡米へと移し「俺たち4人は未来について考えました。最初はすごく不安だった。でも辻村は辞めないってフォーリミやオーラルに言ったとき、あいつらすげえ喜んでくれて。フォーリミ、オーラル、そしてあなたという仲間がいてくれるから、何も怖くないのよ」と語った。感動的なムードが漂う中、ブルエンは「灯せ」を演奏。田邊は思いを込めるようにエモーショナルに熱唱した。
ブルエンのライブ後にはステージに3組が集結。記念撮影を行ったあと、辻村がマイクを握り「本当に寒い中ありがとうございます。『あ、こいつニューヨーク行くんだ』って今知った人もいるかもしんないすけど、音楽を愛しすぎてるので、これからも追求していこうと思ってます。12人とも音楽大好きなヤツらなんで、これからもどうぞ『ONAKAMA』をよろしくお願いします」と挨拶し、田邊が「ブルエンは解散でも活休でもないので! 皆さん、誤解のないようによろしくお願いしますね。これからも3バンド、がんばっていきたいなと思ってます!」とアピールをして「ONAKAMA 2023」を締めくくった。
なお、このライブの模様は3月5日に全国の映画館で上映される。
「ONAKAMA 2023」2023年2月10日 日本武道館 セットリスト
THE ORAL CIGARETTES
01. リコリス
02. Shala La
03. BUG
04. BLACK MEMORY
05. Enchant
06. カンタンナコト
07. 狂乱 Hey Kids!!
08. 5150
04 Limited Sazabys
01. Keep going
02. Kitchen
03. Now here, No where
04. midnight cruising
05. message
06. fiction
07. Finder
08. Galapagos II
09. Horizon
10. monolith
11. swim
12. Remember
BLUE ENCOUNT
01. 1%
02. HAPPY ENDING STORY
03. NEVER ENDING STORY
04. KICKASS
05. LIVER
06. VS
07. バッドパラドックス
08. PLACE
09. 灯せ
ONAKAMA 2023 THE MOVIE
2023年3月5日(日)全国の映画館
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