「お客さんの反応あってこそ」宮藤官九郎が明かす、観客への思い
ステージ
ニュース
宮藤官九郎(撮影:三浦憲治)
ウーマンリブ「もうがまんできない」の作・演出を手がける宮藤官九郎の取材会が1月下旬に行われた。
ウーマンリブは、宮藤が“何物にもとらわれず、今やりたいことを自由に、ストレートに表現する”ことを目的とした大人計画の公演。「もうがまんできない」は、2020年に上演予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止に。同年、WOWOWオリジナル番組として、無観客で収録したものが放送された。2023年版の公演には、阿部サダヲ、仲野太賀、永山絢斗、皆川猿時、荒川良々、宮崎吐夢、平岩紙、少路勇介、中井千聖、宮藤が出演する。
宮藤は2020年放送版の撮影を振り返り、普段とは異なる舞台映像の収録方法を試すことができたとしつつも、「やっぱり、お客さんがいないとダメなんだな、お客さんの反応があってこそ舞台が完成するんだな、ということを再確認しました」と観客の重要性に気付いたと話す。
また宮藤は、新キャストとして参加する仲野、永山、皆川に言及。「太賀くんが演じるお笑い芸人の役は、自分自身の性格がものすごく反映されているんです。例えば、他人に当たることで自分を保って、自分を正当化するところとか、『ああ、俺って嫌なやつだよなあ(笑)』と思うようなキャラクターですね。でも、太賀くんはナーバスなお芝居をしても暗くならない。そこが太賀くんのすごく良いところだと思います」とキャスティングの意図を説明する。
仲野の相方役を演じる永山については、「絢斗くんの、力いっぱいバカなことをやってくれるところがすごく好き(笑)。太賀くんの相方は誰が良いかと考えたときに、絢斗くんがぴったりなんじゃないかと思いました」と語り、皆川については「松尾(スズキ)さんの代わりができるのは皆川くんしかいない。皆川くんも五十代半ばになったから、これからは哀愁漂う父親みたいな役もやっていかないと(笑)」と笑顔で明かした。なおキャスト変更に伴い、脚本の一部をアップデートする予定だという。
最後に宮藤は「つらい現実を忘れるために演劇を観に行って、フィクションの世界を楽しむ場合もあると思うんですけど、『もうがまんできない』は、『私たちやあなたたちって、客観的に見るとこう見えてますよ』ということを突きつける気持ちで書いた作品。なので、今回はヒリヒリするような演劇体験をしていただけるんじゃないかなと思います」と観客に向けてアピールした。
「もうがまんできない」の公演は、4月14日から5月14日まで東京・本多劇場、18日から31日まで大阪・サンケイホールブリーゼにて。東京公演のチケットは3月11日10:00、大阪公演のチケットは4月9日10:00に発売される。
ウーマンリブ vol.15「もうがまんできない」
2023年4月14日(金)~5月14日(日)
東京都 本多劇場
2023年5月18日(木)~31日(水)
大阪府 サンケイホールブリーゼ
作・演出:宮藤官九郎
出演:阿部サダヲ、仲野太賀、永山絢斗、皆川猿時、荒川良々、宮崎吐夢、平岩紙、少路勇介、中井千聖、宮藤官九郎