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けやき坂46、2018年は大躍進の1年に 目覚ましい活躍ぶりを振り返る

音楽

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リアルサウンド

 2015年11月30日に長濱ねるが『欅って、書けない?』(テレビ東京系)に初出演してから3年が経ち、けやき坂46(以下、ひらがなけやき)が実質3周年を迎えた。特に今年のひらがなけやきは単独のグループとして本格的に始動し、アイドル界全体を見渡してもこれほど成長を遂げたグループは他にないように思う。昨年の今頃はひらがなけやきが日本武道館での単独公演を合計6回行うこと、井口眞緒がソロで『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に出演し、影山優佳が『日本倫理・哲学グランプリ2018』銅賞に輝くなんて誰が想像しただろうか。そんなひらがけやきの2018年を振り返ってみたい。

(関連:けやき坂 小坂菜緒、2期生初のセンターなるか? 新曲「JOYFUL LOVE」使用のCMから感じたこと

 ひらがなけやきの快進撃の始まりは、やはり1月30日・31日・2月1日の3日間にわたって開催された日本武道館公演。欅坂46(以下、漢字欅)が出演できない代わりに2日間のチャンスが巡り、期待以上の幸福感に満ちたパフォーマンスで観客を満足させた。その後、6月20日には単独でのデビューアルバム『走り出す瞬間』をリリースし、それに伴う全国ツアーも安定の実力で見事完走を果たす。

 同アルバムのリード曲「期待していない自分」のセンターに、佐々木美玲を起用したこともまた、ひらがなけやきの躍進を支えた要素の一つではないだろうか。漢字欅とは違い、平手友梨奈ほどの絶対的なカリスマがいない分、背が高くて見栄えの良い佐々木美玲をセンターに起用することで、グループ全体のバランスが良く見え、一体感があるビジュアルを生み出す。センター発表の時に本人よりメンバーが喜んだという人柄の良さと明るい性格が魅力的な佐々木美玲。武道館で初披露された「イマニミテイロ」で、佐々木美玲がセンターに登場した時には正直驚いたが、歌詞とリンクするように期待に応えるパフォーマンスからは、長濱のいない新しいひらがなけやきの本格始動を感じた。そんなハッピーオーラの体現者とも言える佐々木美玲だけに大役を負わせるのではなく、加藤史帆や齊藤京子ら歌唱メンバーとのトロイカ体制的な部分は、漢字欅との差別化にもなり、様々な可能性を秘めているように思う。

 アルバムリリースを前に、漢字欅からの独立を決定付けたのは、単独レギュラー番組『KEYABINGO!4』(日本テレビ系)と『ひらがな推し』(テレビ東京系)が、今年4月から始まったことではないだろうか。先輩がいなくなったことで、キャプテン佐々木久美の有能さをはじめ、2期生メンバーの個々の面白さなどが視聴者に浸透した。また『ひらがな推し』では毎週歌のコーナーが毎週あることも、歌番組への出演が少ない彼女たちにとっては貴重な舞台となっている。

 忘れていけないのが、ひらがなけやきが最初に世間に挑んだ齊藤京子の冠特番『けやき坂46 ラーメン大好き!齊藤京子です』(CSテレ朝チャンネル1・4月25日放送)。『欅って、書けない?』(テレビ東京系)時代の貯金とも言える”ラーメン大好き齊藤京子”のキャラが他局で抜擢されるという快挙。敷かれたレールではない、実力が試される場での奮闘ぶりは彼女たちにとって、外でやっていけるという自信がついたと共に、本当の意味でブレイクのきっかけとなった番組ではないだろうか。

 そして全メンバーが2グループにわかれて演じた初舞台『あゆみ』。舞台上はシンプルなセットのみで、演技力だけが試される過酷な環境だったため、自ずと表現力が磨かれた。続続く、柿崎芽実や丹生明里ら10人が選抜された舞台『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』や坂道合同の舞台である『ザンビ』でも、その演技は高く評価されている。

 これらの舞台があったことで、初めて選抜制的なことが行われたが、出演できなかったメンバーもまた、SHOWROOMや番組のロケ、ラジオ出演など、休むことなく精力的に活動を続けた。その中での副産物が井口眞緒と宮田愛萌が営む「スナック眞緒」のブレイクではないだろうか(参考:けやき坂46 井口眞緒は新たな才能を発掘する天才だ 「スナック眞緒」が果たしてきた役割から考察)。この2人の好感度が急上昇したことで、グループ全体の底上げにもなったように思う。結果的に井口眞緒は『踊る!さんま御殿!!』に単独で出演し、ブログで「スナック眞緒妄想物話」を書いていた宮田愛萌は小説家としてデビューを果たした。

 また井口眞緒の覚醒は、影山優佳の活動休止も大きかったのではないだろうか。影山優佳はドラマ『Re:Mind』(テレビ東京系)で重要な役を演じ、ひらがな次期エース候補と囁かれていた。影山優佳と井口眞緒は姉妹のように仲が良く、井口眞緒が歌やダンスを影山優佳に頼っていたことがブログからも伝わってくる。そんな影山優佳が一時的にグループを離れたことで、二期生から教わることも多くなった井口眞緒は、一期生と二期生の架け橋的存在となった。一方で影山優佳は、先日『日本倫理・哲学グランプリ2018』に入賞し、国際哲学オリンピック選考会に挑戦できる権利を得た。休業中にも関わらず、ひらがなけやきの名前を世間に知らせ、グループに貢献。彼女たちが奇跡の集まりだということを実感する。

 他にも、小坂菜緒が雑誌『Seventeen』でグループ初の専属モデルに抜擢され、松田好花が舞台『七色いんこ』に単独出演を果たし、渡邉美穂が初写真集を来年に発売することが決定するなど、二期生の目覚ましい躍進ぶりが目立つ。グループとしては佐々木久美がキャプテンに就任し、加藤史帆が「ハッピーオーラ」で初のセンターを務めた。また『メチャカリ』や『カレーハウスCoCo壱番屋』のCMに抜擢されたり、『うたコン』(NHK総合)では五木ひろし、『Hot Stuff Promotion 40th Anniversary MASAKA』ではきゃりーぱみゅぱみゅといった人気アーティストとコラボしたりするなど、与えられたチャンスにはしっかりと応え、ものにしてきた1年だったと言える。

 しかし彼女たちの2018年は終わらず、アジア最大の音楽授賞式『2018 Mnet Asian Music Awards』の12月10日に行われる『2018 MAMA PREMIERE in KOREA』に出演し、帰国して直ぐに日本武道館で『ひらがなくりすます2018』を3日間開催(12月11日~13日)、そして3期生の加入と、大きなイベントが目白押しだ。彼女たちなら当たり前のようにそれらをやり遂げられるはずーーそう感じることこそが、ひらがなけやきの成長の証なのかもしれない。(文=本 手)