視力を失ったクライマーと相棒がフィッシャー・タワーズ目指すドキュメンタリー公開
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「ライフ・イズ・クライミング!」ポスタービジュアル
視力を失ったクライマーとその相棒を映した「ライフ・イズ・クライミング!」が5月12日に公開。ポスタービジュアルと場面写真が到着した。
本作は、パラクライミング世界選手権で4連覇を成し遂げたクライマーのコバこと小林幸一郎と彼の視力となるサイトガイドのナオヤこと鈴木直也が、米ユタ州にあるフィッシャー・タワーズの尖塔に立つことを目指す様子を追ったドキュメンタリー。テレビ番組「ザ・ノンフィクション」で小林を密着取材した中原想吉が監督を務め、MONKEY MAJIKが主題歌「Amazing」を担当した。現在YouTubeでは予告編が公開中だ。
小林は「友と巡り合わせてくれたクライミングがどれほど自分たちの人生を豊かに彩ってくれていることか。50歳代も半ばに差し掛かり、視力も失った。それでも上を見続け生きるって、旅するって、登り続けるって、最高!」とコメント。鈴木は「コバちゃんというクライマーと一緒に旅をしてクライミングをする、単に彼と一緒に登り、僕が思うクライミングの魅力をここアメリカで一緒に味わってもらいたい、ただそれだけの映画です」とつづった。
また中原は「いろんな壁に立ち向かう2人の姿は『自分もちょっと頑張ってみるか』という勇気を観る人に与えてくれるはずです。とりたてて何の取り柄もない私やそんな風に感じている人が、少しだけ自分の可能性を信じたくなる、そんな映画を目指しました」と語っている。
「ライフ・イズ・クライミング!」は東京・新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開。
小林幸一郎 コメント
ナオヤと最初に出会ったのはもう20年ほど前、共通の友人の結婚式がアメリカ・コロラドで開かれ、同じクライマーだからとたまたま彼が私を空港に迎えに来てくれた時でした。その後も彼の誘いで、ヨーロッパやアジア、アメリカなどの岩場でクライミングをする旅に出たり、数々のクライミング大会に出場をしたり、と素晴らしい時間を共に過ごして来ました。そして今回も「連れて行ってみたい所があるんだけど…」と、いつものようにナオヤの言葉で始まった私達2人の目の前に広がる日常を、中原監督が少しでも多くの方に届けようと作品にしてくれました。友と巡り合わせてくれたクライミングがどれほど自分たちの人生を豊かに彩ってくれていることか。50歳代も半ばに差し掛かり、視力も失った。それでも上を見続け生きるって、旅するって、登り続けるって、最高!
鈴木直也 コメント
「コバちゃん」こと小林幸一郎とクライミングの旅をしていると、彼が全盲であることを忘れる時があります。この映画は、そんなコバちゃんというクライマーと一緒に旅をしてクライミングをする、単に彼と一緒に登り、僕が思うクライミングの魅力をここアメリカで一緒に味わってもらいたい、ただそれだけの映画です。決して特別なクライミングでもないのですが、単純にクライミングが生活の一部として何気なく存在する、その一瞬一瞬を一緒に過ごしたかったのです。真っ赤な砂岩が美しいユタ州、そこにいつ崩れてもおかしくないタワーが無数にあり、その中の一つのタワーにコバちゃんを立たせ、どんなリアクションをするか見てみたい! ただシンプルにそれだけを思ってこの映画を中原監督に相談したことから始まりました。涙、笑い、感動、全部入った映画だと思います!
中原想吉 コメント
コバさんと出会って早6年、ようやくこの映画を世の中の皆さんにお届けすることができます。コバさんとナオヤさん、最高の2人が最高の奇跡を起こす瞬間を、この映画に収められたと思います。企画したのは2019年。その後コロナ禍の煽りをモロに受けながらも、あきらめることなく取り組めたのは、何があっても前を向いて歩き続けるコバさんナオヤさんのおかげです。パラクライミング世界選手権4連覇という偉業を成し遂げたコバさんですが、私が描きたかったのは「スーパーマン」小林幸一郎ではありません。押し付けがましくなく、爽やか、でもなんか気持ちを鼓舞される、そんな不思議な魅力がコバさんとナオヤさんの2人にはあります。いろんな壁に立ち向かう2人の姿は「自分もちょっと頑張ってみるか」という勇気を観る人に与えてくれるはずです。とりたてて何の取り柄もない私やそんな風に感じている人が、少しだけ自分の可能性を信じたくなる、そんな映画を目指しました。
(c)Life Is Climbing 製作委員会