吉田山田、バンド編成でツアー終幕“3年間がんばったご褒美のような”一夜
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吉田山田「吉田山田ツアー2023」最終公演の様子。(撮影:白石達也)
吉田山田が3月21日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)にて全国ツアー「吉田山田ツアー2023」の最終公演を開催した。
2月よりアコースティック編成で全国7カ所を、3月17日よりバンド編成で東名阪の会場を回ってきた吉田山田。ツアーファイナルの1曲目はアコースティック編成のライブと同じ「音楽」。2人でライブをする際はアコギを手にしていた吉田結威(G, Vo)は、バンド編成ではエレキギターを手にし、鮮烈なギターリフを響かせてこの日のライブがツアー前半とはまるで異なることをオーディエンスに知らしめる。2曲目「YADANA」は力強いドラムのビートで始まり、1曲目は着席してじっとライブを観ていたオーディエンスも立ち上がって手を上げ、彼らのライブを楽しんでいた。
山田義孝(Vo)が「ただいま!」と声をかけると、フロアからは「ただいま!」の声が上がる。アコースティック編成のライブでは声出しが禁止されていたが、バンド編成のライブからはライブ中の声出しが解禁されており、オーディエンスの声を一身に浴びた吉田山田は「お待たせ」とファンに声をかけた。「人間」「裸」といったツアー前半から披露されている楽曲のあとに披露されたのは、バンド編成のライブからセットリストに入った新曲「夜な夜な」。この曲では吉田と山田がどちらも楽器を持たずバンドに演奏を委ねるなど、2人きりのツアーではできないアプローチで楽曲を届けた。
5曲披露しただけで山田は「いい夜だね」と、ライブの手応えを語る。東京で育った2人は“上京”を経験したことがないと語り合い、彼らは上京をテーマにした新曲「東京」を歌唱。吉田がドラッグストアで見かけたカップルのことを思いながら作ったというこの曲は東京で暮らす戸惑いや家族のことが女性目線で表現されており、山田は繊細なボーカルで東京に暮らす若者の心情を歌い上げた。ライブ中盤の「もしもの話」では吉田山田とバンドメンバー・幡宮航太(Key)の3人という特別編成でパフォーマンス。この楽曲は昨年10月に行われたデビュー13周年ライブで“未来の曲”として披露されたもので、5カ月の年月を経てさらに厚みを増したこの曲を3人で届けた。
吉田が「準備できてんのか!」「盛り上がっていけんのか!」とけしかけ、フロアの熱気を上げると、山田はバツが悪そうに「次はそういう曲じゃない……」と戸惑う。「もう やだ しにたい」と歌う「もやし」の準備をしていた山田は、相方に出鼻を挫かれながらも、近年のライブで定番となりつつあるこの曲をなんとか歌唱。アウトロでは歌唱前の流れを汲みつつ、即興でアップテンポな「もやし」まで披露され、オーディエンスは手拍子を打ってこの日ならではの展開を喜んだ。ライブ終盤、バンドメンバー紹介のセッションでは山田がエレキギターを手にして演奏に参加。アコースティック編成のライブではアコギを手にしていた山田は、バンド編成ではエレキギターのソロを披露して見せ、オーディエンスの喝采をさらった。2月から3月頭のツアー各地では“春”にまつわる楽曲を届けてきた彼らは、ツアーファイナルでひと足早い夏曲「こんな夏はいやだ」を披露。山田がタオルを回すと客席のファンもそれに合わせてタオルを回し、会場内は大盛り上がりに。声を出して、タオルを回して盛り上がる客席を見た山田は「それぞれが3年間がんばったご褒美のような、そんなエネルギーを感じました」と感慨深そうに語る。「初めてよっちゃんとステージに立ったあの日のことを何度も思い出した」と初心に帰った山田は、本編最後の曲として「魔法のような」を歌唱。曲中、彼がコール&レスポンスを促すと、会場内は客席から上がる「ラララ」の合唱が響きわたった。
アンコールの代わりに「約束のマーチ」の合唱が客席で巻き起こると、その歌声に導かれるように吉田山田が再び登場。2人はストリングスの音色がふんだんに使われた異色の新曲「Monster」でライブを再開した。さらに2人はファンからの歌声への恩返しとして「約束のマーチ」を披露。アウトロでは山田が「さあ行こう、行こう。行けるところまで、行こう」と決意のような一節をアドリブで歌い上げた。ステージからバンドメンバーを送り出した吉田は「今日まで元気に生きて来てくれてありがとう。僕はあなたのこと、大好きです。心から愛してます」とファンに言葉を贈り、「最後の歌」を山田と一緒に歌い始める。この曲も含めて吉田山田は2カ月後の5月17日発売のアルバム「備忘録音」の収録曲をすべて届け、今年のツアーをフィナーレに導いた。
吉田山田「吉田山田ツアー2023」2023年3月21日 Zepp Haneda(TOKYO) セットリスト
01. 音楽
02. YADANA
03. 人間
04. 裸
05. 夜な夜な
06. 東京
07. 日々
08. 日曜日
09. もしもの話
10. もやし
11. Color
12. 焼き魚
13. 押し出せ
14. こんな夏はいやだ
15. 魔法のような
<アンコール>
16. Monster
17. 約束のマーチ
18. 最後の歌