亀田佳明ら出演「ブレイキング・ザ・コード」開幕、演出の稲葉賀恵「とても奇妙で、愛すべき世界に」
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「ブレイキング・ザ・コード」より。(撮影:杉能信介)
「ブレイキング・ザ・コード」が、本日4月1日に東京・シアタートラムで開幕した。
ヒュー・ホワイトモアによる戯曲「ブレイキング・ザ・コード」は、第二次世界大戦中、ナチスの暗号・エニグマを解読したイギリスの数学者、アラン・チューリングの生涯を描いた作品。本作では翻訳を小田島創志、演出を稲葉賀恵、音楽を阿部海太郎が担当し、チューリング役を亀田佳明が務める。そのほか出演者には水田航生、岡本玲、加藤敬二、田中亨、中村まこと、保坂知寿、堀部圭亮が名を連ねている。
開幕に際して、稲葉は「この物語は数学理論を真ん中に置いてはおりますが、極めて私たちの近く、隣にいる人間たちのすれ違いやぶつかり、そして愛憎や悲哀を描いています。何だかとても奇妙で、でもとても愛すべき世界になった気がいたします。トラムという宇宙のような空間で天体のように近づいては離れる人間たちの模様を一緒に浮遊しながら旅してみてください。劇場でお待ちしております」とコメント。
亀田は、「劇中アラン・チューリングは常に舞台上にいながら、他の人物の登場によって時空が飛んでいきます」「共演者の方達と稽古を重ねていくうちに、自分は登場人物達の記憶の中の存在であり、その人物たちの記憶により再生されている存在のような不思議を感じました。『心とは何か』『身体がなくても心は存在するのか』チューリングは学術でこの問いを追究し続けました。私にとっても心の問いは向き合い続けるテーマでもあります。日々お客様と発見を重ねながら千秋楽を迎えたいと思います」と思いを語った。
公演は4月23日まで。なお一部公演ではキャストやゲストが登壇するアフタートークが開催される。アフタートークの詳細は公式サイトを確認しよう。
稲葉賀恵コメント
この物語は数学理論を真ん中に置いてはおりますが、極めて私たちの近く、隣にいる人間たちのすれ違いやぶつかり、そして愛憎や悲哀を描いています。
約1ヶ月強、8人の尊敬する魅力的な俳優陣と、すぐそこに、近所にいるような親近感と愛くるしさを持った登場人物を作り上げるべく、コツコツ丁寧にお稽古してきました。
そして、信頼すべきスタッフプランナー陣と、チューリングの脳内を舞台上に出現すべく、時に子供のようにきゃっきゃ言いながら趣向を凝らして参りました。
何だかとても奇妙で、でもとても愛すべき世界になった気がいたします。
きっと観ていただけたら、チューリングをはじめとする歴史の中にいる登場人物が、年号から抜け出してすぐそこで手を差し出して話しかけてくるような、そんな感覚を覚えて頂けると思います。
トラムという宇宙のような空間で
天体のように近づいては離れる人間たちの模様を
一緒に浮遊しながら旅してみてください。
劇場でお待ちしております。
亀田佳明コメント
本日はご来場頂きましたお客様に心より感謝を申し上げます。
稲葉賀恵さんの粘り強く丁寧な演出にスタッフキャストも一丸となり明るく闊達な稽古場でした。
劇中アラン・チューリングは常に舞台上にいながら、他の人物の登場によって時空が飛んでいきます。
堀部圭亮さん演じるロスの絶妙にグレーな人間味。
田中亨さん演じるクリスの清廉さとニコスの無邪気さ。
保坂知寿さん演じるサラの失望の先に見せる深い愛情。
水田航生さん演じるロンの秘められた痛みと滲む葛藤。
中村まことさん演じるスミスの特異な難攻不落。
加藤敬二さん演じるノックスの温かさの中にある哀しみ。
岡本玲さん演じるパットの夾雑物のない眼差しで生きようとする意志。
次々に登場してくる共演者の方達と稽古を重ねていくうちに、自分は登場人物達の記憶の中の存在であり、その人物たちの記憶により再生されている存在のような不思議を感じました。
「心とは何か」「身体がなくても心は存在するのか」
チューリングは学術でこの問いを追究し続けました。
私にとっても心の問いは向き合い続けるテーマでもあります。
日々お客様と発見を重ねながら千秋楽を迎えたいと思います。
座組一同、心を込めて創った作品です。
1人でも多くの方に観ていただけたらと願っております。
「ブレイキング・ザ・コード」
2023年4月1日(土)~23日(日)
東京都 シアタートラム
作:ヒュー・ホワイトモア
翻訳:小田島創志
演出:稲葉賀恵
音楽:阿部海太郎
出演:亀田佳明 / 水田航生、岡本玲、加藤敬二、田中亨 / 中村まこと、保坂知寿、堀部圭亮