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顔と身体にペイントを施した成河ら、「ある馬の物語」ビジュアル&コメント解禁

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「ある馬の物語」チラシ(宣伝美術:秋澤一彰、宣伝写真:山崎伸康)

音楽劇「ある馬の物語」のビジュアルが公開された。

「ある馬の物語」は、ロシアの文豪レフ・トルストイの小説を舞台化した作品。ホルストメール(成河)は俊足を持つ駿馬であるものの、まだら模様に生まれついたため、価値のない馬として育てられた。しかし公爵(別所哲也)はその天性の素晴らしさを見抜き、ホルストメールを厩舎から買い取る。公爵と幸せに暮らすホルストメールだったが、ある日公爵の気まぐれから、競馬に出走することに。その競馬場で公爵の愛人マチエ(音月桂)は、若く美しい将校(小西遼生)と出会って姿を消してしまい……。

このたび公開されたビジュアルには、オレンジ色の衣裳をまとい、顔や身体にペイントを施した成河、別所、小西、音月の姿がそれぞれ収められている。

併せて上演台本・演出の白井晃と、出演者からのコメントも到着。白井は、2020年に予定されていた「ある馬の物語」の公演が、新型コロナウイルスの影響で中止になったことを振り返りつつ「この三年という時間は、私にとって、作品を見る目にどうやら少しばかりの変化をもたらしたように思います。人の生は、何をもって充足と言えるのだろうか。物を所有することが、いか程の意味があるのか? こんな原初的な問いかけが、一層切実に感じられるようになったとでも言いましょうか。100年以上前のトルストイの問いかけが、重石のように私たちの背中にのしかかります。それでも人は、欲望から逃れられない」と明かし、「もし、今、トルストイがこの現代社会を見たらどんな思いを描くのか。そんな視点で作品創りに取り組みたいと思っています」と述べる。

成河は「資本主義やその問題点、所有意識などを描き出す物語。難しく聞こえますが、白井さんはたくさんアイディアをお持ちなので、アクティブでダイナミックで、生きる喜びに満ち溢れる、テンポの良い現代的な作品に仕上がる予感がひしひしとしています」と期待を語った。

公演は6月21日から7月9日まで東京・世田谷パブリックシアター、7月22・23日に兵庫・兵庫県立芸術文化センターで行われる。東京公演のチケット販売は4月23日にスタート。なお一部日程では終演後にポストトークが予定されている。なお白井、成河のコメント全文と、別所、小西、音月からのメッセージは以下の通り。

白井晃コメント

予定されていた2020年から三年の月日を経て、ようやくこの作品と向き合えるようになりました。メインキャストの方々は三年前のまま。このご時世、これは一つの奇跡だと思います。魅力的な俳優の皆さんと改めて創作できることをとても楽しみにしています。

そして、この三年という時間は、私にとって、作品を見る目にどうやら少しばかりの変化をもたらしたように思います。

人の生は、何をもって充足と言えるのだろうか。物を所有することが、いか程の意味があるのか? こんな原初的な問いかけが、一層切実に感じられるようになったとでも言いましょうか。

100年以上前のトルストイの問いかけが、重石のように私たちの背中にのしかかります。それでも人は、欲望から逃れられない。

50年前にロシアの劇団が、小説から立ち上げたこの世界的な演劇の名作を、新たな演出で果敢に再構築したいと思います。もし、今、トルストイがこの現代社会を見たらどんな思いを描くのか。そんな視点で作品創りに取り組みたいと思っています。

成河コメント

久しぶりの白井晃さん演出作への出演です。白井さんは自然に人を惹きつけ、まとめる力がある、そしてとにかく熱い演出家。ある種サディスティックな演劇愛に満ちあふれ、その力で渦のように絡め取られながら作品を作り上げていくという、そうした創作過程がとても楽しみです。

戯曲には馬の形態模写をしないようにという抑制的なト書きがある一方で、より豊かな発想が生まれるようなト書きもあり、更に山田うんさんの振付で、フィジカル面においても創作性の高い馬を見つけていけるのではないかとワクワクしています。

資本主義やその問題点、所有意識などを描き出す物語。難しく聞こえますが、白井さんはたくさんアイディアをお持ちなので、アクティブでダイナミックで、生きる喜びに満ち溢れる、テンポの良い現代的な作品に仕上がる予感がひしひしとしています。長年舞台の上で戦ってきた勲章のような傷が見えるオーラをお持ちの別所さんには遠慮なくぶつかっていきたいですし、クリエイティブな同級生感のある小西くんと桂ちゃんとの共演も楽しみです。

身構えず、華やかな音楽劇をお祭り感覚で楽しんでいただけたら嬉しいです。

別所哲也コメント

もう楽しみ以外の何ものでもありません。白井晃さんの演出を受けるのは初めてですが、演出家、俳優として演劇界をリードする白井さんが、トルストイの世界を音楽劇としてどのように立ち上げられるのか……ご一緒できることが本当に嬉しいです。

僕は、成河さん演じる馬ホルストメールの才能を見出す公爵を演じます。公爵という人物を通じて、この作品の背景である19世紀末の人々の生きざま、そしてそれが現代を生きる人々に重なっていくよう、お届けしたいと思っています。

情熱を持って、演劇と、音楽的な世界観を愛するスタッフ・キャストで作り上げる新たな音楽劇。これまでと全く違った別所哲也をお見せできるのではないかと思っています。ぜひみなさんご自身の目でお確かめください。

小西遼生コメント

現在、準備稿段階の台本を拝読し、馬が持つ生命力と共に、白井さんご自身の演劇への熱や造詣の深さが溢れ出てくるのを感じています。まずは稽古場で、これが初めてとなる白井さんの演出に、全力でエネルギッシュに応えていきたいと思っています。

僕が演じるのは美しい馬と、若き伯爵。ホルストメールの壁となる存在として、人間が根本的に持っている意識的、無意識的な欲望や本能を表現できたら。

白井さんと、以前からご縁の深い成河くん、別所さん、音月さんをはじめとするカンパニーと、馬の流動する筋肉のようなエネルギーで、野生的で本能的ながらも、お客様を魅了する作品を目指していきたいと思っています。楽しみにして劇場へお越しください。

音月桂コメント

初めて白井さんの世界感に浸ることに、今はワクワクしつつもドキドキしています。白井さんが出演された作品を拝見した時、その場の空気を操り、鮮やかに彩っていくような演技に引き

込まれました。今回は演出家としての白井さんから様々な刺激をいただけたら嬉しいです。

私は牝馬と、公爵の恋人マチエを演じます。ホルストメールの対象的な存在として美や若さなどを象徴する役どころ……私自身の引き出しを探りつつ、新たな発見もできたら。

成河さんと小西さんとは久しぶりの共演なので、成長した姿をお見せしたいなと。別所さんとは今回初めてご一緒させていただきますが、どのような化学反応が起きるか楽しみにしております。

エネルギッシュな皆さまに負けないよう、必死についていきます。

音楽劇「ある馬の物語」

2023年6月21日(水)~7月9日(日)
東京都 世田谷パブリックシアター

2023年7月22日(土)・23日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター

原作:レフ・トルストイ
脚本:マルク・ロゾフスキー
音楽:マルク・ロゾフスキー、
詞:ユーリー・リャシェンツェフ
翻訳:堀江新二
訳詞・音楽監督:国広和毅
上演台本・演出:白井晃
出演:成河、別所哲也、小西遼生、音月桂 / 大森博史、小宮孝泰、春海四方、小柳友 / 浅川文也、吉崎裕哉、山口将太朗、天野勝仁、須田拓未 / 穴田有里、山根海音、小林風花、永石千尋、熊澤沙穂

※吉崎裕哉の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。