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B.O.L.T楽しさが悲しさを上回ったラストライブ、怒涛の全曲披露で晴れやかに解散

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B.O.L.T 「The LAST」の様子。(撮影:笹森健一)

B.O.L.T のラストライブ「The LAST」 が本日4月15日に東京・KANDA SQUARE HALLで開催された。

スターダストプロモーションのアイドルセクション・スターダストプラネットに所属するガールズユニットB.O.L.T 。メロディックパンク系のアーティストが提供するロック色の強いポップソング、アイドル活動歴約10年の内藤るな、高井千帆、2008年生まれの青山菜花、白浜あやが織り成す力強いパフォーマンスを武器に、彼女たちは2019年7月のステージデビュー以降、コロナ禍においても精力的に活動を展開してきたが、今年3月に解散を発表した。ラストライブでは4人のラストステージを見届けるべく大勢のファンが集まり、会場が見事満員になった。

開演前、ライブ中の声出しや声援が可能であることがアナウンスされると、フロアのテンションが上昇。オープニングではこれまでに制作されたB.O.L.T のミュージックビデオがダイジェストで上映された。そしてMV内で着用していたものを組み合わせた新衣装でステージに登場したメンバーは、2019年のデビューライブで初披露した始まりの曲「星の降る街」で勢いよくパフォーマンスをスタートさせる。ステージ後方のスクリーンが上昇すると、そこにはファンからのメッセージが大量に書かれたバックドロップ幕が。その前で笑顔で歌い踊る4人に向けて、観客は精一杯の声援を送った。

これを皮切りに、B.O.L.T はすべてのオリジナル曲を怒涛の勢いで披露。「ここからみんなと私たちで史上最強の1日を作ろうぜ!」と煽ると、悔いが残らぬように序盤からアクセル全開のライブを展開していく。フロアの観客もジャンプしたり、腕を左右に振ったりと、前のめりになってそれに応える。最初のMCで「ついに始まっちゃったね」と感慨深げに話しつつ、「けっこう長い時間楽しんでいただけると思います」と観客に期待を持たせた4人は、続いてキャッチーなナンバー「Don't Blink」「Yummy!」をメドレーで歌唱。さらに「Catch The Rainbow」でタオルを振り回したり、「SLEEPY BUSTERS」でフロアに一緒に歌うように呼びかけたりと、会場全体を巻き込むようなパフォーマンスで強固な一体感を生み出した。

ライブ中盤では4人がシリアスな表情を浮かべ、「未完成呼吸」「Hear You」などのスローテンポの楽曲をじっくりと情感を込めて歌い上げる。「明日から私たちが行く道にも、皆さんが行く道にも光が降り注ぐことを祈っています」という言葉を合図に披露された「雨のち晴れ」では、希望を描いた歌詞にいつも以上の説得力が生まれた。そしてこの曲を筆頭に始まったラストスパートで、B.O.L.T は12曲を連続でパフォーマンス。「足音」「淡い空」「夕日の後の夜に」などエモーショナルな空気感をまとう楽曲を息つく暇もなく届け、独特の高揚感を会場に充満させていくと、最後は「夜を抜け出して」を力強く響かせて観る者を圧倒した。

アンコールでは「寝具でSING A SONG」の曲中に盛大なシンガロングを起こしたり、「Please Together」のラストに観客と一緒に土下座をしたりと、再びハツラツとした歌とダンスを届けるB.O.L.T 。フロアをバックに記念撮影したあとは、4人が解散にあたっての胸の内を言葉にしていく。目から涙をあふれさせた青山はファンへの感謝の思いをたっぷりと語ったあと、「皆さんいつも私のことを大好きって言ってくださってるんですけど、私のほうが負けません! 皆さんのことが本当に大好きです!」と愛の言葉を精一杯ぶつける。用意してきた手紙を取り出した白浜はメンバー1人ひとりに自分の思いを伝えたほか、ファンに対して「B.O.L.T 大好きですか!?」と弾けるような笑顔で質問。観客が声をそろえて叫ぶ「大好き!」という答えをうれしそうに受け取った。

高井からの「個人活動に専念したい」という申し出を受け、幾度にもわたる話し合いを重ねた結果、解散という結論に至ったB.O.L.T 。小学生の頃からアイドル活動を続けてきた高井は「10年前にこういうステージに立たせていただいて、アイドルという職業の素晴らしさをたくさんの方に教えていただいて。正直、私はアイドルをやらせてもらった時間の中で、1回も自分がアイドルに向いてると思ったことはないんですけど、それでもアイドルは楽しいと思えたり、自信を持ってステージに立てたのは数え切れないほどの方々のおかげだなと思ってます。環境の変化、出会いや別れがあっても、今が一番楽しいという気持ちで毎回ステージに立たせていただいて。今日も今が一番楽しいという気持ちでライブをやらせていただきました」と涙を交えながらこれまでの歩みを振り返り、「これからはグループの肩書がなくなり、不安な気持ちは正直あるんですけど、みんなが優しく温かく力強く背中を押してくれたので、笑顔で前を向いて進んでいきたいと思います。私が前を向いていなかったらみんな怒ると思うので、少しでも皆さんにいい報告ができるように、会える機会を作れるくらい力を付けたいと思っています」と今後の活動への決意を口にした。

B.O.L.T結成前、高井とともに3B juniorやロッカジャポニカで活動し、アイドル人生を駆け抜けてきた内藤も涙を見せ、「楽しさが悲しみを上回ることがあるんだなってすごく思って。1曲1曲『これが最後だな』って思うよりも、楽しいという気持ちがいっぱいなままラストライブができたのがうれしいです」とライブの感想をコメント。「正直、B.O.L.Tが始まった頃は今までとまったく違うコンセプトと楽曲だし、パフォーマンスも違かったから皆さんに受け入れてもらえるか不安で。でも、今こんなにもみんながB.O.L.Tの解散を惜しんでくださっているのがうれしいです。こんなに愛されるグループになれたんだなって実感しています」としみじみと語った。

挨拶を終えて涙を拭った4人は「スマイルフラワー」を歌唱し、晴れやかな笑顔を咲かせる。続いて「OUR COLOR」で渾身の歌声を響かせた彼女たちは観客に手を振り、感謝の気持ちを伝えながらステージをあとにするも、声援や手拍子に応えて再度ステージへ。1曲目に披露した「星の降る街」をダブルアンコールとして再びパフォーマンスした。メンバーは目に涙を溜めながら「跳べー!」と叫ぶと、力を振り絞ってファンとともに一斉にジャンプ。「寂しいより楽しいが勝ったね」「悔いはないです」と晴れ晴れとした表情を浮かべ、全37曲約3時間におよんだラストライブ、そして4年弱にわたって駆け抜けた活動の日々に幕を下ろした。

4人がステージを去ったあと、スクリーンには青山と白浜がまだ小学生だった頃の初期の映像を筆頭に、これまでの軌跡をたどるエンドロールが。さらに、そのあとに投影されたメンバーからのファンに向けたメッセージが会場に温かな余韻を残した。

B.O.L.T 「The LAST」 2023年4月15日 KANDA SQUARE HALL セットリスト

01. 星の降る街
02. ここから
03. 夜更けのプロローグ
04. 宙に浮くぐらい
05. Make Up
06. D.T.F.
07. Don't Blink
08. Yummy!
09. More Fantastic
10. JUST NOD
11. Catch The Rainbow
12. SLEEPY BUSTERS
13. New Day Rising
14. BON-NO BORN
15. BY MY SIDE
16. 未完成呼吸
17. Hear You
18. HOT CAKE
19. スーパースター
20. axis
21. 雨のち晴れ
22. 風を抱きしめて
23. わたし色のトビラ
24. 足音
25. USHIRO-META-I
26. Accent
27. Reborn
28. まわりみち
29. One Life
30. 淡い空
31. 夕日の後の夜に
32. 夜を抜け出して
<アンコール>
33. 寝具でSING A SONG
34. Please Together
35. スマイルフラワー
36. OUR COLOR
<ダブルアンコール>
37. 星の降る街