築地小劇場での上演から約100年、理性的な変人たちが「海戦」を女7人で立ち上げ
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理性的な変人たち vol.3「海戦2023」チラシ表
理性的な変人たち「海戦2023」が、7月5日から9日まで東京・アルネ543にて上演される。
理性的な変人たちは、東京藝術大学出身者で構成されたパフォーマンス集団。本公演では、1924年に築地小劇場のこけら落としとして日本初演された、R.ゲーリングの戯曲「海戦」を立ち上げる。
翻訳・上演台本・演出を手がける生田みゆきは、「戦争劇では往々にして、大勢の男性が戦い、女性はぽつんと、ヒロイン的にそこに登場します。行為の主体は男性で、女性はその脇にいる存在。この描かれ方に常々疑問を感じていました。しかし同時に、SNS等で度々話題となる『美しく勇敢な女性兵士』のように、プロパガンダとして機能している女性兵士の姿にも釈然としません。というわけで、今回は『海戦』に女7人で挑みたいと思います。築地小劇場での上演から99年。この1世紀で世界は、日本は、演劇界はどう変わったのか、どういう歴史を積み重ねてきたのかに思いを馳せる契機になればと思います。『海戦2023』ご期待ください!」とコメントした。
出演者には理性的な変人たちの荒巻まりのと滝沢花野、そして小山萌子、万里紗、星初音、齊藤由佳、黒木佳奈が名を連ねている。なお本作にまつわる特別企画と題し、5月27日に記念艦・三笠の見学ツアー、公演期間中に会場ロビーで絵画展示会が開催される。詳細は公式サイトで確認を。
生田みゆきコメント
ロシアのウクライナ侵攻から1年以上が経過し、ウクライナのニュースが「非日常」から「日常」へと変化しつつあるのを感じます。この紛争も世界の他の多くの紛争と同様に、自分には所詮どうしようもないという無気力と共に忘れられていくのでしょうか……。
でも世界は繋がっています。日本でも物価が上がり、休止中の原発は再稼働方向に舵を切っています。どうせ繋がっているなら、紛争の渦中にいる人々に、私たちなりに心を寄せたい。戦争について考えたい。
そう思ったときに、もう一つ、取り組みたい課題が見えてきました。戦争劇では往々にして、大勢の男性が戦い、女性はぽつんと、ヒロイン的にそこに登場します。行為の主体は男性で、女性はその脇にいる存在。この描かれ方に常々疑問を感じていました。しかし同時に、SNS等で度々話題となる「美しく勇敢な女性兵士」のように、プロパガンダとして機能している女性兵士の姿にも釈然としません。
というわけで、今回は1924年に築地小劇場のこけら落としとして上演された「海戦」に女7人で挑みたいと思います。築地小劇場での上演から99年。この1世紀で世界は、日本は、演劇界はどう変わったのか、どういう歴史を積み重ねてきたのかに思いを馳せる契機になればと思います。「海戦2023」ご期待ください!
理性的な変人たち vol.3「海戦2023」
2023年7月5日(水)~9日(日)
東京都 アルネ543
作:R.ゲーリング
翻訳・上演台本・演出:生田みゆき
出演:荒巻まりの、滝沢花野 / 小山萌子、万里紗、星初音、齊藤由佳、黒木佳奈