体内から臓器を摘出する前衛アートとは…クローネンバーグの8年ぶり長編が8月公開
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「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」ポスタービジュアル
「ビデオドローム」「クラッシュ」などで知られるデヴィッド・クローネンバーグの8年ぶりの新作長編「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」が、8月18日より東京・新宿バルト9ほか全国で公開。クロックワークスとSTAR CHANNEL MOVIESが共同配給する。
本作は人類が生物学的構造の変容を遂げた近未来を舞台に、自身の体に新たな臓器を生み出す“加速進化症候群”の芸術家ソールを主人公にしたボディホラーSF。その臓器にタトゥーを施し、体内から摘出する前衛的なパフォーマンスアートが人気を呼んでいた。しかし政府は、人類の誤った進化と暴走を監視するため“臓器登録所”を設立。そしてソールのもとに、生前プラスチックを食べていたという遺体が持ち込まれる。
ソールを演じたのは、クローネンバーグと「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「イースタン・プロミス」でも組んだヴィゴ・モーテンセン。ソールのパートナーであるカプリース役で「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のレア・セドゥ、2人を監視する政府機関のティムリン役で「スペンサー ダイアナの決意」のクリステン・スチュワートが脇を固めた。ポスターにはソールが特殊装置の“ブレックファーストチェア”に身を委ね、食事を取る様子が切り取られている。
クローネンバーグが「人類の進化についての黙想」をテーマに製作に20年以上を費やしたという本作は、2022年の第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品。退出者が続出するなど賛否を巻き起こした。なお、クローネンバーグは同じく肉体の変容を主題にした映画「クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立」を1970年に発表しているが、直接的なリメイクではない。
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