OSK日本歌劇団 華月奏のラブレター

2024年9月2日付で、翼和希がOSK日本歌劇団トップスターに就任した。翼は2023年から2024年にかけて放送されたNHKの連続テレビ小説「ブギウギ」に出演し、一躍人気に。翼と共に今、改めて注目を浴びるのが、OSK日本歌劇団だ。このコラムでは、個性豊かな劇団員たちが思い思いにつづる“ラブレター”から、100周年を超える歴史を持つOSK日本歌劇団の“今”を築く、メンバーの素顔を紹介する。

第8回には、歌・ダンスに抜群の安定感を持ち、華やかなパフォーマンスでステージを支える華月奏が登場。華月は、2019年3月に上演された「新撰組 コンチェルト ～狂奏曲～」で演じた新撰組総長・山南敬助に手紙をしたためた。凄腕の剣士・沖田総司と競り合うほどの剣豪でありながら、左腕を負傷し、剣を握れなくなった山南。次第に居場所を失い、脱退するに至る知的で優しい山南との出会いや、当時の共演者を思い、華月は「ありがたみを痛感しています」と振り返りつつ、舞台人としての決意を新たにした。

2月にミュージカル「三銃士」で枢機卿リシュリュー役を演じた華月は、3月22・23日に「OSKレビューin名古屋～レゼル Les Ailes～」、29・30日に「OSKレビューin香川県東かがわ市～レゼル Les Ailes～」、4月25日より「『レビュー in Kyoto』レゼル～Les Ailes～南座バージョン」に出演する。

山南 敬助 様

貴方に出会ったあの日から、もう6年以上も経ってしまいました。

【鉄の掟】を破り、隊を抜けたらどうなるか……そんなことはわかっていたのに、そこまでしてでも、貴方が示したかった決意、、、確かめたかった皆の覚悟。

土方さんに切腹を言い渡された時の、どこかスッとした顔、
最後の願いとして、介錯は総司に頼みたいと言った気持ち、
そして、切腹の瞬間。。。

あの頃の私には、まだ少し、実感が湧きにくいような、どこか難しい感情のように感じていました。

周りを見れば、土方さん（楊琳さん）、近藤さん（緋波亜紀さん）という頼もしい姿があり、いつもそばには総司（虹架路万さん）がいて、
それが当たり前のようになっていた日常。。。

今あらためて、そのありがたみを痛感しています。

『誠という文字は、「言葉」を「成す」と書き申す。
【口に出したことを、必ず成し遂げる】ということだ。』

この言葉のように、これからも誠実に舞台と、そして、人と、向き合い、生きていきたいと思います。

華月 奏