欅坂46 平手友梨奈、バラエティにおける“カリスマ性” 半年ぶりに出演した『けやかけ』を見て
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欅坂46の冠番組『欅って、書けない?』(テレビ東京/以下、『けやかけ』)。4月21日放送回には、平手友梨奈が約半年ぶりに登場した。もはやレアな存在となっている平手の一挙手一投足に注目が集まる中、久しぶりの“キャロてち”降臨で、幸福感に満ちあふれた放送となった。また平手がパーソナリティを務めるラジオ『欅坂46 平手友梨奈のGIRLS LOCKS!』(TOKYO FM『未来の鍵を握る学校 SCHOOL OF LOCK!』内)での「てちおねえさん」に続き、放送当時「平手さん」がTwitterトレンド入りを果たすなど、ステージを降りてもそのカリスマぶりは健在だ。
(関連:欅坂46には“主人公 平手友梨奈”のほかにもう一つのドラマがあるーー長濱ねるの卒業がもたらす変化)
同放送回は「2期生の絶対に負けられない戦い 前半」と題して、「これだったら私が欅坂46でいちばん!」という自信のあるもので2期生が1期生と勝負をするという内容だった。番組が始まると、しれっと右端中央に座っているポーカーフェイスの平手。すると、「あれ? 平手!」と早速いじるMCの澤部佑(ハライチ)に平手は笑顔で手を振る。この光景は昨年7月15日放送回でも見られた、もはや様式美とも言える定番の掛け合い。当時は、映画『響 -HIBIKI-』の撮影などで欅坂の活動を長期休止していた平手が久しぶりに戻って来た回だった。このやりとりが、久しぶりの平手を番組へとスッと溶け込ませ、自然体に戻させる。番組開始数秒で、SNS上では「澤部、てちに話し振ってくれてマジで感謝」「さすが澤部!」など、澤部への賞賛の言葉が送られた。
そんな平手は今回、ひな壇に座っているだけかと思いきや、2期生・井上梨名との豪速球対決に選出される。淡々と勝負に挑むも、平手がボールを投げた直後に、澤部が股間を抑えるリアクションをするなどMCたちの名サポートもあり、スタジオから笑いが起こった。そのやさしさに包まれた空間は、尾関梨香の魔球をも引き出す。結果、平手がまさかの豪速球王となり、今年一番とも言える笑顔を見せた。そのはしゃぎように、かわいい平手の姿を指す“キャロてち”がSNS上に溢れ、「キャロてち見れて最高!」「神回すぎる」と歓喜の声が上がる。そして何より、久しぶりの平手出演ということもあってか、MCを含めたスタジオメンバーたちがいつも以上に盛り上がりを見せていたのが印象的だった。空いていたピースが埋まるかのように、やはり欅坂にとって平手は欠かせない存在だと改めて気付かされる。
バラエティにおける平手のカリスマ性は、楽曲パフォーマンス時とはまた違う。笑顔が見るものを幸せにする力を持っているのだ。それは、歌の世界を世間に届けようと、表現者として鬼気迫るパフォーマンスをするカッコいい平手の存在があるからこそとも言える。普段の愛らしい姿とのギャップに心を掴まれるのはもちろんだが、ステージを降りた平手の素直な反応や自然な仕草などから本来の魅力を感じる人も少なくないはずだ。
そんな平手の最も自然な姿を感じられるのが、毎月3週目に登場する『GIRLS LOCKS!』。今や平手の直近の声が唯一聞ける生存確認の場としても有名だ。以前、米谷奈々未がラストインタビュー(月刊『B.L.T』1月号)で、平手に関して、特別に見られがちだが素の本人は年相応の女の子、誰よりも友達という感覚が強いと評していた。『GIRLS LOCKS!』で、同世代に向けてアットホームな雰囲気で友達のように話す平手の姿は、まさに17歳の等身大の女の子そのもの。特にリスナーへ逆電する時などは好奇心旺盛で、とても嬉しそうな声をよく耳にする。平成最後の放送では、ラーメンをすすって終わるという、この緩さが微笑ましい。欅坂での癒し系と言えば長濱ねるの名前が思い浮かぶが、実は一番の癒し系は平手なのでは? と感じるほど、ラジオの自然なしゃべりが魅力的だ。世間がアイドルとして、平手を神格化しすぎてしまったのかもと思う一方で、ステージ上での彼女の輝きは紛れもない事実。普段とのギャップの凄さに胸を打たれ、どうしようもうなく惹きつけられる。
番組セットがリニューアルされた最近の『けやかけ』は、新メンバーである2期生の紹介がメインという印象だった。2期生の加入は、グループだけでなく同番組にも新たな風を吹かせている。だが、前回の放送で、番組リニューアルの真の起爆剤は平手だったと改めて感じた視聴者は少なくないはず。以前『別冊カドカワ 総力特集 欅坂46』で平手は、「新しいメンバーは必要な存在」「新しい刺激がもらえたらうれしい」と、2期生に対し肯定的な意見を口にしていただけに、バラエティで一人目立つことはおそらく好んでいないだろう。そんな平手が、2期生と絡みながら、ライブだけでなく『けやかけ』も、しれっと盛り上げていってはくれないだろうか。その中で平手に噛み付く2期生が現れたら、また新たな面白い展開を迎えそうだ。(文=本 手)