坂口健太郎と吉田鋼太郎、実は“親子”そろってゲーマー?「光のお父さん」現場レポ
映画
ニュース
「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」メイキング写真。左から吉田鋼太郎、坂口健太郎、野口照夫。
坂口健太郎と吉田鋼太郎がダブル主演を務める「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」の撮影現場に、映画ナタリーが密着した。
ブログ「一撃確殺SS日記」の著者・マイディーと父親の実話をもとにした本作。正体を隠したままオンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIV」を親子でプレイする「光のお父さん計画」を始動した息子アキオが、父・暁の知られざる一面を知っていくさまが描かれる。2018年3月下旬に東京都内のスタジオで行われた撮影には、アキオ役の坂口、暁を演じた吉田が参加した。
モノローグ収録では坂口が、本音の見えない暁を不思議がる気持ちや、暁と冒険する中で生まれた感情を声に乗せていく。坂口は、本作のゲームパートの舞台となる「エオルゼア」の発音に苦戦したのか、時折小声で練習を繰り返す。暁と初めて冒険をともにするシーンでは、監督を務める野口照夫から「もっと語りかけるように」などとアドバイスされていた。台本を初めて読んだ際、坂口は本作について「どうやって撮るんだろう、と素直に面白そうだと感じた」という。「僕はアキオでありマイディー(ゲーム内のアキオ)でもあるので、そこをリンクさせるのは難しそうだなと思ったんですが、ゲームの世界で親と子の絆を描くストーリーが面白く感じました」と述べた。
収録のあと、スタジオ内に組まれたアキオの部屋のセットで撮影がスタート。インテリアは青を基調としており、中央にはゲームをプレイするためのディスプレイやチャット用のキーボードが設置されたデスクが据えられた。部屋着風の衣装で現れた坂口は、セットを見回しながら「こんなにおしゃれでいいんですか?(笑)」と声を弾ませ、椅子に腰かけてコントローラーを手に取る。普段からオンラインゲームをプレイしている坂口は「オンラインゲームって、画面の向こうにいるのはキャラクターなので、逆にその人の本質が出るんですよ。顔がわからないからこそ、キャラクターから発せられる言葉に性格や自分の本質が出るものだと思っています」と述懐。「『本当はどういう人なんだろう?』と思っていた父親が、ゲームというツールを通して面白い行動をしている、ということは現実にもあり得ると思います。そうやって父親の意外性を知るのは素敵だなと、撮影を通じて思いました」と語った。
実は、坂口はこの日でクランクアップ。モニターを見ていた野口は、撮影したばかりのシーンを確認しながら「坂口くんをリリースしたくない」と別れを惜しみ、数テイクを重ねたあと撮了を告げる。花束を受け取った坂口は笑顔を弾けさせながら両手を突き上げ「うわー」とおどけて、スタッフを笑わせた。スタジオの隅に控えていた吉田はプレゼントを渡しながら“息子”をねぎらい、坂口は「本当に大変なスケジュールの中、お疲れ様でした。ありがとうございました!」と吉田やスタッフに感謝を示す。
続けて、マンガ喫茶の個室を再現したセットで吉田の撮影が始まり、マンガ喫茶にてマイディーらとボス戦に挑む様子が収められていく。読書灯の薄暗い明りの下、吉田は画面を真剣な表情で見つめ「行け、行け! そうそう!」と呟きながら、ゲーム内の白熱した闘いを表現。坂口同様、プライベートでもオンラインゲームをプレイする吉田はゲーム初心者の演技に苦労したといい「わざとぎこちなく動くのが難しかったですね。構え方を変えたりしています」と工夫を明かす。セットの裏にはスタッフが控え、実際のゲーム画面を見ながら吉田の演技とゲームがリンクしているかを確認する。カットがかかると、スタッフは吉田のもとに駆け付け、「人さし指は基本的にここに置いておきましょう」とゲームシステムを踏まえて操作を指導していた。
2017年には千葉雄大と大杉漣の共演でドラマ化された本作。囲み取材にて吉田は、大杉が演じた父親役に自身が挑むことに対し「すごく光栄なんですがすごくプレッシャー、という両方の気持ち」と明かす。ゲームで親子の交流を描くというテーマについては「昔でいうと、親子のコミュニケーションツールの代表と言えばキャッチボール。基本的に何かを通じて父と子がコミュニケーションを図るという図式は、昔から変わらないんだなと思いながらも、今回はゲームで、ということですごく変わってるなと思いました(笑)」とコメントする。坂口が「鋼太郎さんが僕のお父さんということにすんなり入れて、撮影を通じてだんだん絆が濃くなっていった感じでした」と語ると、吉田は「うん。それが画面に出ているといいね」とほほえんだ。
「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」は、6月21日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開。
(c)2019「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」製作委員会 (c)マイディー/スクウェア・エニックス