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嵐が示す、新たな時代における“アイドルの働き方” 櫻井翔と小泉進次郎の対談から考える

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リアルサウンド

 時代が平成から新元号に移り変わろうとする4月30日。『news zero拡大版 有働由美子&櫻井翔「改元の瞬間」生中継SP~zeroから考える新時代~』(日本テレビ系)で、嵐の櫻井翔と同学年である小泉進次郎衆議院議員の対談の様子が放送された。これまでも同番組では何度か対談を行ってきた二人。今回は小泉氏の地元である神奈川県横須賀市の海沿いのおしゃれなカフェでのカジュアルなスタイルの対談となった。

 冒頭、小泉氏から櫻井にいきなり逆質問が飛び出し対談は予想外の展開に。小泉氏は「来年、嵐が活動を休止するんだ、という大きなニュースがあって、今日はせっかくの機会だから、僕だけじゃないと思うんだけど、その後の櫻井君って何をしたいなと思ってるんだろう」と切り出した。櫻井は「すごいよ、インタビュアー小泉進次郎」と驚き、「あの決断っていうのはあくまでも自分たちのため」としながらも「テレビを見てたら(嵐の休止)会見を受けて、これって“アイドルの働き方改革”なんじゃないかと(ある人が)言ってくれていた。ある程度の期間を設定し、グループとしての休みに入る。これを我々が成立させなかったら、働き方改革だとするなら後に続く人が出てこなくなっちゃう。その責任はある程度あるなと思っています」と胸の内を明かした。櫻井の発言を受け「活動休止をして新たなスタートを踏み切るのは、僕はいちアイドルグループの選択ではなく、新しい時代の社会の選択の1つと見ている」と小泉氏。櫻井は「どこまで行っても僕の背中、看板には嵐をずっと背負っていくつもりだから。5人とも。一時的に休む中でいろいろ考えることは確かにある」と休止期間中にも思いを馳せた。

櫻井翔が模索した着地点

 小泉氏が自らの自由民主党厚生労働部会長という自らの立場を、右と左の意見を折り合わせていく「中間管理職的」と説明した後に「嵐の中で櫻井君というのは何をする役割なんですか?」と問いかけた。櫻井は「この1、2年の話で言うと進次郎さんと同じような立場だったかもしれない」と胸中を吐露。「意見って白と黒に分かれることは基本的にはないじゃないですか。グレーもいれば濃い黒の人もいれば、限りなく白に近い黒の人もいたり。みんなが納得するところを探すという役割だったのかもしれないです」という櫻井に小泉氏が「櫻井君は政治家みたいだね」と返し、櫻井が爆笑する場面も。

 対談での櫻井の発言から、嵐の活動休止会見に行きつくまでの1~2年間、私たちの想像を遥かに超える話し合いの中、紆余曲折の末、メンバーやスタッフそれぞれが納得する着地点を模索した櫻井の苦労が伺える。また、期間を設定し休みに入る“アイドルの働き方改革”を成立させるということはファンに対する活動再開を示唆するメッセージとも受け取れる。これには安堵したファンも多かったのでは。また、この“働き方改革”を成立させることで、後輩に対しても“休んでも戻ってこられる環境”であることも示そうとしているのではないだろうか。長いアイドル活動の中、一旦立ち止まって活動を振り返りたい、と思った時に一定期間活動を休止し、再び活動できる前例を嵐の5人が身をもって実現させてくれれば、今後の後輩グループに同じような状況になった時の前例にもなり、道しるべとなる。加えて、現在活動休止中のKing & Princeの岩橋玄樹、Sexy Zoneの松島聡についても同じく安心して治療に専念できる環境が整ったことをファンに周知できた意味合いも大きい。アイドルであり続けるための新たな“働き方”の可能性を見出した嵐は、やはり時代のパイオニアである。

 なお昨日5月3日には、新聞広告にて6月26日にベストアルバム『5×20 All the BEST!! 1999-2019』を発売することも発表。活動休止前ということで、新たな記録を残す可能性もありそうだ。

■北村由起
ライター・エディター。出版社勤務、情報誌編集長を経てフリーに。情報誌、webマガジン、ムック等を中心に執筆。ジャニーズウオッチャー。