『東京独身男子』仲里依紗の健気さに同情の声殺到!? 高橋一生が唱える“アジェンダ”を考える
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高橋一生、斎藤工、滝藤賢一の3人がアラフォーの“AK男子=あえて結婚しない男子”を演じる『東京独身男子』(テレビ朝日系)。その見どころの1つが毎話掲げられる「男の本音 裏アジェンダ」の内容である。
第3話のアジェンダは「男はもともと『ナシ』の女からいくらアタックされても動かない」。
男性は女性よりも相手の第一印象を重要視する、会ってすぐに「彼女候補」か「友達」ボックスに仕分けするというのはよく聞く話だ。また、性別に関わらず「結婚相手には1番好きな相手よりも2番目くらいがちょうどいい」というのもまたよく言い古された言説だが、その真相や果たしていかに。
今回、アジェンダを実証することになるのはこじらせ男子代表・石橋太郎(高橋一生)。元カノ舞衣(高橋メアリージュン)への気持ちを断ち切ろうとしているところに、かずな(仲里依紗)からいきなりキスされ、しかもこれが初めてのキスではないと明かされ混乱する。
三好(斎藤工)、岩倉(滝藤賢一)主導の下、太郎の“初犯”の経緯が解明されていくが、自分の潔白ばかりを主張する、単純で悪気はないがデリカシーの欠片もない太郎に対して、「この際だから彼女に立候補する」と切り出したかずな。かずなとて32歳、向こう見ずになりふり構わず振る舞える年代は過ぎ去ったであろう彼女の、その勇気ある行動に心から敬意を表したいところだ。
そんな中、舞衣と糸井(早乙女太一)の結婚パーティーの案内が届く。ここでもかずなはいち早く行動を起こす。AK男子3人衆行きつけのバーに駆けつけ、うだつのあがらない太郎に対して「一緒に行こうよ。こういう時に明るく祝ってあげるのが良い男ってもんだよ」とけしかける。
そしてこのパーティーでは、視聴者から総スカンを食らった太郎の見るに堪えない一世一代の強がり・見栄っぱりが発動されることとなるのだ。
幸せそうな元カノ舞衣を前に、思わず「俺たち付き合ってるんだよね、結婚前提に。やっと“この人だ”って人に出会えた」と口からでまかせで、かずなのことを紹介してしまう太郎。その全くの作り話に「太郎の気持ちが自分にない」ことを心底悟り、潔く身を引こうとするかずなは、どこまでよくできた人間なのか。失礼この上ない態度を取られて怒ってもいいところなのに、なんとか笑顔で太郎と別れ、帰り際たまたま声を掛けられた人に「ずっと好きだった人にフラれちゃった」と素直に話せるあたり、変な気負いやプライドもなくてどこまでも真っ直ぐな女性である。
さすがの太郎もこのどストレートなかずなの想いに触れて心改めたかと思いきや、最後の最後に言い放った衝撃の一言。「俺と付き合う? かずなはぶっちぎりのオンリーワンの2番だ」。それに対して顔を歪めながらも「結婚前提なら」と食い下がるかずなは本当に強くて立派、あっぱれだ。
アジェンダについて明確な答えは今回打ち出されなかったものの、1つだけ言えることがある。この健気で一生懸命、相手のことを一途に思いやるかずなの涙ぐましいアプローチを“「ナシ」の女からのアタック”の一言で括ってしまうのはあまりに乱暴である。
グイグイのアプローチというよりは、あれでもかずなはかなりの言葉を飲み込んでいるように思える。あれだけややこしい太郎の性質をよく把握した上で気持ちのいいコミュニケーションを心がけてくれ、格好悪い太郎の姿も近くで励ましてきてくれたかずなだが、看病してくれた記憶が蘇ってもなお2番。それでも付き合うことになったという点では前進と捉えるべきか。今後の2人のパワーバランスも要注目だ。
一方で、遂に三好と岩倉と透子(桜井ユキ)の3人が鉢合わせ、男性同士が互いを恋敵だと認識したようだ。第1話でかずなが「男同士の仲間が集うドリームアイランド」と指摘した彼ら3人の関係性が今後どのように変化していくのかも追っていきたい。(文=楳田佳香)