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IZ*ONE、世界へ羽ばたく予感と期待 日本1stファンミーティングを観て

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リアルサウンド

 グローバルアイドルを目指して活動中の日韓混成ガールズユニット・IZ*ONE(アイズワン)が、ゴールデンウィーク真っ只中の2019年5月2日と3日の2日間にわたり、日本武道館で「MXまつり『IZ*ONE JAPAN 1st Fan Meeting』」を開催した。このイベントはタイトルが示す通り、彼女たちにとって日本で初めて行うファンミーティングである。WIZ*ONE(IZ*ONEファンの呼称)で埋めつくされた客席は、開演前から久しぶりにIZ*ONEに会える喜びと期待感に包まれていた。

 3日の公演は定刻通り16時にスタート。イントロダクションとなる映像が始まり、メンバーの顔と名前が映し出されるたびに次々と大きな歓声が響き渡る。そして赤い光をバックに12人(チャン・ウォニョン、宮脇咲良、チョ・ユリ、チェ・イェナ、アン・ユジン、矢吹奈子、クォン・ウンビ、カン・ヘウォン、本田仁美、キム・チェウォン、キム・ミンジュ、イ・チェヨン)のシルエットが浮かび上がると、会場内の盛り上がりは早くもピークに達した。

 オープニングのナンバーは日本1stシングル曲「好きと言わせたい」。間髪をいれずに韓国1stミニアルバム収録曲「O’ My!」を披露すると、会場内のいたるところでカラフルなペンライトが大きく揺れ始める。恋するときめきを華やかに歌った2曲でファンとの距離は一気に縮まったようだ。

 今回のイベントは公式ファンクラブ会員のみを対象にしたもので、2日間で2万人の動員があったという。日本デビューから3カ月ほどでこのような大規模なファンミーティングが開催できることが驚きである。チェヨンが最初のあいさつで、「昨日も今日もみなさんの目がキラキラ輝いていて本当にかわいいですね!」と少し興奮気味に語っていたのもうなずける。

 続いて、年下チーム(ウォニョン、ユリ、ユジン、矢吹、本田、ミンジュ)によるゲームコーナーへ。「この中でいちばんしっかりしているのは誰?」と司会者から聞かれると、全員が「私です!」と答えるほど主張が強いメンバーがそろったせいか、「お絵描き伝言ゲーム」(お題:サーフィンをしている人)では連携プレーがうまくいかず、さんざんな結果に。

 対する年上チーム(宮脇、イェナ、ウンビ、ヘウォン、チェウォン、チェヨン)は、「プライベートファッションショー」でシックな大人の魅力を振りまいた後、「友達以上恋人未満だったパートナーへの愛の告白」というお題にチャレンジした。「前からずっと好きだったよ」(ウンビ)、「曖昧な関係は嫌だ」(チェヨン)など恥ずかしそうに言うメンバーがいる一方で、「おい、バカ。違う!」(イェナ)と笑いをとったり、「私たちって……何なのかな?」(宮脇)とシリアスに迫るメンバーも。おかげで会場内はすっかり和やかなムードになった。

 そして年下チームも同様に「プライベートファッションショー」の後に「友達以上恋人未満だったパートナーへの愛の告白」に挑戦。こちらも「今まではウソでしょ? 付き合ってください!」(ミンジュ)、「ねえ。今、ひぃが君のこと好きって言ったらどうする?」(本田)、「あなたは私どう(思うの)? 友達? 私はもっとそれ以上!」(ユジン)とキュートなコメントが続く中、振り向きざまに「恋愛する?」とクールに決めるユリに会場内がどよめく場面も。それぞれのキャラクターの違いを知ることができ、ファンは満足そうだった。

 韓国2ndミニアルバムに収録されているしっとりとしたバラード「Really Like You」で客席をクールダウンさせたIZ*ONEは、ステージ上に設けられたソファと椅子に着席。そしてプライベートで撮った写真をテンポ良く紹介していった。最も盛り上がったのは「寝ている写真シリーズ」で、仕事や練習の合間につかの間の睡眠をとるメンバーたちの写真が映し出されていく中でも、目を半分開けて寝ている宮脇の写真は会場の笑いを誘った。

 これまでの活動を紹介する映像を上映している間に衣装を着替えた彼女たちは「Violeta」で再び登場。テレビの音楽番組で7冠を手に入れるほどの大ヒットを記録した同曲に対する声援は他のどの曲よりも熱い。さらにレゲトン風の「Rumor」(Mnet『PRODUCE 48』のコンペティション曲)を軽やかに歌い上げ、ステージはいよいよ終盤へ。

 スペシャルコーナー「カラオケONE」では、大塚愛の「さくらんぼ」や宇多田ヒカル「First Love」、AKB48「ヘビーローテーション」など普段聴くことができないカバー曲を披露してファンとの一体感が増したところで、今度はオリジナル曲で客席を魅了する。愛する人との未来を願う「秘密の時間」(韓国1stミニアルバム収録曲)、ファンのために特別で大切な気持ちを込めた楽曲「Up(空の上に)」(韓国2ndミニアルバム収録曲)、韓国でデビューヒットとなった「La Vie en Rose」と充実の3曲を熱唱し、ヒートアップしたままファンミーティングの本編は終了した。

 だが、WIZ*ONEとの久しぶりの時間があっさり終わるわけがない。アンコールで登場した彼女たちはサプライズニュースを持って現れた。「Energetic」(Wanna Oneの大ヒット曲のカバー)、「NEKKOYA(ネッコヤ/PICK ME)」(Mnet『PRODUCE 48』のテーマソング)を歌った直後に、待望の日本2ndシングル『Buenos Aires(ブエノスアイレス)』を2019年6月26日にリリースすることを発表。祝福ムードに包まれた約2時間の大型イベントは無事に幕を閉じた。

 デビューしてそれほど経っていない新人が日本武道館の舞台に立つ。それでも緊張することなく終始にこやかに歌い踊るIZ*ONEは、すでにグローバルアイドルになる資格を備えていると言えるだろう。日本2ndシングルでどれだけステップアップできるのか、今から楽しみで仕方がない。

■まつもとたくお
音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。『ミュージック・マガジン』や『ジャズ批評』など専門誌を中心に寄稿。ムック『GIRLS K-POP』(シンコー・ミュージック)を監修。K-POP関連の著書・共著もいくつか。LOVE FM『Kore“an”Night』にレギュラーで出演中。