フルトヴェングラーを題材にした問題作『Taking Sides』が開幕
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繰り返し上演されている舞台『ドレッサー』や、アカデミー脚色賞を受賞した映画『戦場のピアニスト』などで知られる劇作家、ロナルド・ハーウッド。“戦争と芸術”をテーマにし続ける彼が1995年に書き、日本でも2度の上演歴のある『Taking Sides』を、翻訳劇に定評のある加藤健一事務所が新たに上演する。同事務所にとっては『コラボレーション』(2011)、『ドレッサー』(2018)に続くハーウッド作品で、演出は3作とも鵜山仁。
舞台は第二次世界大戦後のドイツ・ベルリン。連合軍による徹底的な非ナチ化政策が行われるなか、世界的に活躍する指揮者フルトヴェングラー(小林勝也)にも、戦時中ヒトラーの寵愛を受けていたとしてナチ協力者の疑いがかかる。連合軍取調官アーノルド少佐(加藤健一)から厳しい尋問を受けても、政治を超越する芸術の力を主張し毅然と振舞っていたフルトヴェングラーだが、アーノルドがバイオリン奏者ローデ(今井朋彦)から入手したある情報に動揺の色を見せ始め……。実在の天才指揮者の生涯を題材に書かれた“問題作”『Taking Sides~それぞれの旋律~』は、本日5月15日(水)に下北沢・本多劇場にて初日を迎える。
文:町田麻子