稲垣吾郎がナビゲート! 生音声ガイドで語ったクリムトの魅力
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ベートーヴェンを演じた稲垣吾郎が
クリムトのスペシャルサポーターに
現在、東京都美術館(東京・上野)で好評開催中の『クリムト展 ウィーンと日本 1900』。日本では過去最多となるクリムトの油彩画25点以上が一堂に会し、連日多くの人の目を楽しませている。
開催前から、クリムトの代表作の一つである《ユディトⅠ》や、《ベートーヴェン・フリーズ》の原寸大複製が来日することで注目を集めていた同展だが、稲垣吾郎がスペシャルサポーターと音声ガイドを務めることも話題となっていた。
そんな稲垣吾郎が14日、同展の取材会に出席。《ユディトⅠ》の前でトークセッション、音声ガイドを生披露したほか、一番見たかったという《ベートーヴェン・フリーズ》の前での撮影会を行った。
昨年春に稲垣は、自身がベートーヴェンを演じた主演舞台『No.9-不滅の旋律-』の再演を前にウィーンを訪問。ベートーヴェンの生家や墓地を巡ったほか、クリムトの作品を現地で鑑賞したという。
トークセッションではまずウィーンでのクリムト作品鑑賞を振り返り、「作品の華やかさや繊細さ、圧倒的な存在感に心奪われました。今回《ベートーヴェン・フリーズ》が展示されているということで、不思議な縁を感じています」と話した。
また稲垣は、今回初めてスペシャルサポーターと音声ガイドを務めたことについて、「ヨーロッパの文化や歴史に興味がありましたし、そういったものを取り扱ったお仕事もさせていただきましたが、こんな大役を任せられて本当に光栄です」とにこやかに話した。
音声ガイドは絶対に借りる派
「皆さんの感想も聞いてみたい」
音声ガイドを借りるかという質問に対しては、「必ず借ります。見て感じることも大事だけれども、勉強しにきてもいるので、知識としてちゃんと教えていただくっていうのも大事だと思っています」と言い、音声ガイドを務めたことについては、「僕なりに皆さんの鑑賞の邪魔にならないように、聞く人のことや場所をイメージしながら、耳に届きやすく聴き心地がいいように意識しました。聞いた皆さんがどう思われるか、感想を聞いてみたいですね」とのこと。
クリムト作品について感想を尋ねられると、《ユディトⅠ》などを見て「初めて見るんです。嬉しいです。独り占めしたい(笑)。豪華絢爛なだけではなく、繊細さもあって圧倒されますね。やっぱり心奪われる感覚があります。激動の時代の中で、まさに時代がクリムトのような人物を求めていたんだろうなと思います」と笑顔を見せた。
その後、音声ガイドを生披露。「恥ずかしい。なんでしょう、この緊張感は(笑)」とはにかんでいたが、実際に朗読が始まると、会場中が一気に稲垣ワールドに引き込まれた。
また「音声ガイド、僕も自分で借りていいですか? プライベートでこれから何度も足を運びたいと思っているんで。でも音声ガイドを聞きながら絵の前で集中している僕を発見しても、声をかけずにそっとしておいてください(笑)」と会場の笑いを誘う一幕も。
《ベートーヴェン・フリーズ》に感動
ベートーヴェンを演じることへの思いも
最後に《ベートーヴェン・フリーズ》を前にして、「本当は(マスコミの)皆さんとではなくひとりで見たかった(笑)。圧倒され、心を鷲掴みにされました。最後に辿り着く『歓喜の歌』に讃えられて、人々に幸福がもたらされているというシーンが感動的だなと思います。それに自分がベートーヴェンを演じた時のことを思い出しますね。ベートーヴェンは今後も演じたい役なので、今度はまた違った気持ちで演じられるかもしれませんし、見ることができて本当に良かったです。感動しました」と思いを語った。
『クリムト展 ウィーンと日本 1900』は東京都美術館で、7月10日(水)まで開催中。音声ガイドは1台550円で貸し出され、19点の作品解説のほか、稲垣によるスペシャルトラック「第九について」「ウィーンの思い出」が収録されている。また同展は7月23日(火)から10月14日(月)まで愛知・豊田市美術館に巡回する。