浦島坂田船あほの坂田。ワンマンツアーで歌が大好きな少年のストーリー物語る
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あほの坂田。(撮影:岡本麻衣)
あほの坂田。(浦島坂田船)が5月11に東京・Zepp Tokyoでワンマンツアー「AHO NO SAKATA LIVE TOUR 2019 キミに伝えたいこと-Message for you-」の最終公演を行った。
開演時間が近づくと坂田家(坂田のファンの呼称)はペンライトを点灯させ、場内を赤い光で満たす。そこへ静かに登場した坂田は、椅子に腰かけて本を手に取った。するとスクリーンには、小さな町で家族に可愛がられながら育った“歌”が大好きな少年を描いた映像が。ライブはここから、少年の物語に合わせて進行していく。
少年はやがて青年となって1人暮らしを始め、仲間と一緒に音楽の夢を追い始めるが、家族と一緒に暮らしていた頃のことをふと思い出してしまう。寂しさから涙を流す青年のもとに現れたのは、おばあちゃんの魔法使い。「“今”には2度と戻れないよ」と魔法使いは念押ししつつ、過去に戻りたいと願う青年に「エイっ!」と魔法をかけた。ここで坂田は勢いよく「純粋リバース ~Hell or Heaven~」のパフォーマンスを開始。続けて「ねぇ、どろどろさん」を熱唱し、場内のボルテージを一気に引き上げた。
坂田が「ぼくだけのうた」で優しい歌声を聴かせ、会場をクールダウンさせると、物語が再開される。魔法をかけられた青年が目を覚ますと、そこには彼が子供の頃の景色が広がっていた。過去に戻った彼は青年だった頃のことをすっかり忘れてしまい、昔と同じように家族に囲まれた幸せな生活を送り始める。しかしある日、兄が発した「将来はすごい歌手になるんだよ。絶対に夢叶えてくれよな」という言葉から、仲間たちと一緒に夢を追いかけた日々が少年の脳裏に蘇る。
もう戻れない “今”も幸せだったことに気付き、少年がポロポロと涙を流していると、心配したおばあちゃんが「どうしたんだい?」と声をかける。おばあちゃんの温かい手で優しくなでられた少年は、いつのまにか眠りの中へ。目を覚ますと彼はもとの時代に戻っていた。青年は「今この瞬間をもっと大切にしよう」と誓って未来へ歩き始め、坂田は物語のエンディングテーマとして「君は奇跡を知っている」を歌い上げた。
坂田がステージから去ったあと、スクリーンに企画映像「さかたんTV」が上映されると場内のムードは一変。「さかたんを探せ!」と題した企画で、坂田はクマの着ぐるみを着たり女装したりとさまざまな仮装で風景に紛れ込み、坂田家を大いに楽しませた。再びステージに現れた坂田は彼が歌い手として歩き始めるきっかけとなった曲「1925」でパフォーマンスを再開。MCで浦島坂田船を辞めようと思う時期が何度かあったことを明かすと「そんなときにみんなと歌って心にきた曲です」という前置きから「Calc.」を披露した。
ここでスペシャルゲストとして、いのっちが登場。坂田といのっちは仲睦まじげな様子を見せながら「いーあるふぁんくらぶ」「ロキ」の2曲でコラボパフォーマンスを繰り広げ、坂田家は2人に熱烈な声援を送った。いのっち退場後、坂田はアコースティックギターを抱えると「きみへ」を優しく歌唱。坂田の実父・YSNRが作詞作曲した「花ルミ」ではフロアに合唱が巻き起こった。ライブ終盤、坂田はバンドメンバーを改めて紹介し、「スーパーヒーロー」「坂道ロック~Fly High~」をパワフルにパフォーマンス。坂田家への感謝の思いを込めて「27ページ、書きかけの小説。」を届けた。
坂田家が力強くアンコールを求めると、坂田はエンジェルズ&デーモンのボーカル・サカタエルとしてステージにカムバック。「Brake Doubt!」をアグレッシブにパフォーマンスし、場内を再び熱気で満たす。坂田は公演の前半で上映された映像が絵本として発売されることをアナウンスして坂田家を喜ばせると、最後に「NO DRIVE, NO LIFE」を披露。煽りを交えた激しいパフォーマンスで坂田家を熱狂させてワンマンツアーに幕を下ろした。
あほの坂田。「AHO NO SAKATA LIVE TOUR 2019 キミに伝えたいこと-Message for you-」
2019年5月11日 Zepp Tokyo セットリスト
01. サニーデイ
02. 回る空うさぎ
03. 純粋リバース ~Hell or Heaven~
04. ねぇ、どろどろさん
05. ぼくだけのうた
06. スクールボーイ
07. 君は奇跡を知っている
08. 1925
09. Calc.
10. いーあるふぁんくらぶ
11. ロキ
12. きみへ
13. 花ルミ
14. スーパーヒーロー
15. 坂道ロック~Fly High~
16. 27ページ、書きかけの小説。
<アンコール>
17. Brake Doubt!
18. NO DRIVE, NO LIFE
※記事初出時、バンド名の表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。