『インハンド』清原翔、『なつぞら』照男役とのギャップに視聴者騒然 山下智久とも抜群の相性
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山下智久が主演を務めるドラマ『インハンド』(TBS系)が、5月17日の放送より第2章に突入した。
元助手・入谷廻(松下優也)が自分を恨んでいたと思い込み、紐倉哲(山下智久)は幻肢痛と戦っていたが、入谷が残した感謝の言葉とともに紐倉は痛みから無事解放された。第6話からは再び1話完結の物語に。紐倉、高家春馬(濱田岳)、牧野巴(菜々緒)によるトリオの久しぶりのやり取りは、「あー、これ! これ!」と観ていて安心という感覚すらも抱かせる。高家を演じる濱田岳の一人芸もシリアスな第5話を挟んだからか、一段とキレキレだ。
『インハンド』は各回にゲストを迎えている。第2章のスタートを飾る第6話のゲストは清原翔。朝ドラ『なつぞら』(NHK総合)でヒロイン・奥原なつ(広瀬すず)のもう1人のお兄ちゃん・柴田照男を好演している、今注目の俳優だ。照男と言えば、ひたすらまっすぐで真面目な、責任感のある少年。なつの幸せを願う優しい性格と、爽やかな笑顔が印象的だ。
しかし、『インハンド』で清原が演じる野桐俊は、ドーピング疑惑をかけられた日本陸上界のエースで“異端児”。レース後に「うぉー!」と野獣の雄叫びをあげ、履いていたシューズを人に投げつけ、股間にタオル1枚というハレンチな格好で床に寝そべり、「邪魔したらぶっ殺す」と暴言を吐く。前情報で清原が演じる役が異端児と知ってはいたものの、正直ここまでとは思わず大層驚いた。気になってTwitterで番組ハッシュタグを追ってみると、筆者と同じく照男とのギャップに困惑する視聴者だらけだった。
清原の身長は185cm(『あさイチ』(NHK総合)5月9日放送に出演時の発言より)。その抜群のスタイルでファッション雑誌『MEN’S NON-NO』の専属モデルとしてデビューし、2016年より俳優活動を開始した。映画『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズ、『リベンジgirl』、『PRINCE OF LEGEND』など、数多くの作品でその名を轟かせており、今回『インハンド』の陸上選手という役柄も彼の高身長を存分に生かした配役である。
素行が悪い野桐は紐倉を見下し、ニヒルな笑みを浮かべる。一見すれば、完全な悪役だ。しかし、清原が公式コメントで「彼は彼なりに色んな思いを抱えているので、深く知るほど熱いものを感じていただけるのではないかと思っています」と語っているように、その周りに嫌悪感を抱かせる態度は天邪鬼な性格からくる表面上のもの。好きなものに対して誰よりもストイックという変人同士、紐倉と惹かれ合うのも面白い。清原は山下と濱田が共演していた『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)が大好きだったというのだから尚更だ。
また、野桐の陸上レースのシーンを観ていて思い出したのが、『なつぞら』で描かれる照男と天陽(吉沢亮)によるスキー大会。清原や吉沢は、『なつぞら』でのシーンに向けて何度もスキーの練習をしたというが、『インハンド』も同様、事前にストイックな練習が成されているという。『なつぞら』では父・剛男(藤木直人)が一瞬たじろぐ程の熱意をむき出しにする場面があったが、そんな内に秘めた熱さは野桐と照男に共通している部分でもある。
俳優にとって役を演じる上でのギャップは、観るものに自身の姿を印象付ける一番の近道だ。清原にとって今回の『インハンド』への出演は、朝ドラ俳優から一歩、二歩と次のステップへ踏み出す助走となったはずだ。(渡辺彰浩)