Hump Back、満員の野音で“ヤバくてヤバい”バンドの楽しさ伝えたツアーセミファイナル
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Hump Back(撮影:知衿)
Hump Backのライブツアー「髪はしばらく切らないツアー」が5月16日の大阪・なんばHatch公演をもって終幕した。この記事では5月12日に行われた東京・日比谷野外大音楽堂公演の模様をレポートする。
ツアーのセミファイナルとして開催された本公演のチケットはソールドアウト。満員の観客が集まり、場内は開演前から活気にあふれていた。そこへハナレグミ「ティップティップ」が流れると、観客の拍手に迎えられて林萌々子(Vo, G)、ぴか(B, Cho)、美咲(Dr, Cho)が登場。林はエレキギターの弾き語りで伸びやかな歌声を野音に響かせると、「調子どうすか?」と観客に問いかける。ファンが歓声で答える中、彼女は「こちとら絶好調です!」と言い放って「拝啓、少年よ」でライブを開始。3人はその勢いのまま「高速道路にて」「ヒーロー」を生き生きと演奏し、オーディエンスは拳を突き上げながら体を揺らした。
MCでは林が「ヤバくてヤバい」という美咲の過去の発言を引用してバンドの楽しさを伝え、場内を和やかなムードで包んだ。Hump Backはカントリーテイストの「のらりくらり」でライブを再開し、「ボーイズ・ドント・クライ」「VANS」をパワフルに演奏。バラードナンバー「うたいたいこと」で観客を強く引き込むと「サーカス」「チープマンデー」をエモーショナルに熱演した。
「10代の頃はとにかく無敵だった」と過去を振り返った林が「今はもう空は飛ばれへんってわかってしまったけど空に届くくらいでっかい声で歌えるようになりました。若さが私たちを無敵にしてたんじゃなくて夢が私たちを無敵にしてたみたいです。それは今も変わらずずっとそう」と語ると「生きて行く」へ。ひんやりとした夜風が吹く中、3人はパッションほとばしるライブパフォーマンスを繰り広げた。
ライブ終盤、林が「この場所でやらせてもらいたかった曲があるんですけど、やってもいいですか? 愛と尊敬を込めて」と告げると、Hump Backは敬愛するチャットモンチーの「湯気」のカバーを披露し、ファンを喜ばせる。その後3人はバンドについて歌ったという「僕らは今日も車の中」や「LILLY」といった新曲を挟み、「星丘公園」を披露。夜空の下、メンバーとファンは力強い合唱を野音に響かせた。
アンコールでは、林に話を振られたぴかが“最近あった嫌なこと”として自動車教習所の試験に落ちて泣いたというエピソードを明かす。場内に笑いを起こる中、「嫌なことはこういう楽しい日のためにあるんです」という林の言葉を合図に3人は「嫌になる」をパフォーマンス。会場を大いに盛り上げてステージをあとにした。ここでライブは終わりかと思いきや、興奮冷めやらぬファンの求めに応じてダブルアンコールがスタートする。「自分が今書ける最大のラブソング」という林の曲紹介からHump Backは新曲「LILLY」を再び披露。ストレートなバンドサウンドを観客にぶつけてライブに幕を下ろした。
Hump Back「髪はしばらく切らないツアー」
2019年5月12日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト
01. 拝啓、少年よ
02. 高速道路にて
03. ヒーロー
04. のらりくらり
05. ボーイズ・ドント・クライ
06. VANS
07. うたいたいこと
08. サーカス
09. チープマンデー
10. 生きて行く
11. 短編小説
12. クジラ
13. 湯気
14. いつか
15. 僕らは今日も車の中
16. ナイトシアター
17. 悲しみのそばに
18. 月まで
19. LILLY
20. 今日が終わってく
21. 星丘公園
<アンコール>
22. 嫌になる
<ダブルアンコール>
23. LILLY