蘆(あし)×蟹=立身出世!? 絵画のテーマをひも解く『はじめての古美術鑑賞』展
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重要美術品《周茂叔(しゅうもしゅく)愛(あい)蓮図(れんず)》伝小栗宗湛(おぐりそうたん)筆 1幅 日本・室町時代 15-16世紀 根津美術館蔵
幅広い日本・東洋の古美術品コレクションを誇る根津美術館で、『はじめての古美術鑑賞 —絵画のテーマ—』展が5月25日(土)より開催される。
敷居が高いと思われがちな日本古美術を分かりやすく解説する企画展『はじめての古美術鑑賞』。シリーズ4回目となる同展は、日本における絵画のテーマの変遷をたどりながら、水墨画の作例を中心にさまざまな絵画の主題をひも解くものだ。
展示は仏画がメインの奈良時代から始まり、王朝文学が盛んになる平安時代後期に多く描かれた「物語絵の世界」、鎌倉・室町時代に禅の隆盛とともに描かれた「禅宗の人物画と神仙たち」、室内を飾る屏風や襖に描かれた「中国の故事人物画」、そして子孫繁栄の象徴でもある野菜や、中国の文人を象徴する花などを紹介する「自然へのまなざし」の全4章で構成される。
例えば、庭で雪玉遊びをする平安貴族が描かれていたら、それは『源氏物語』「朝顔」の巻がテーマ。また、蘆と蟹の組み合わせは「立身出世」、ナスや根菜は「子孫繁栄」を表すなど、知らないと読み取れない様々なテーマが紹介されている。
こうした「決まりごと」が分かるだけで、より一層作品の理解が深まるはず。根津美術館のコレクションを中心とした名品の数々を、その主題を読み取りながらじっくりと味わってみてほしい。
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