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玉森裕太が明かす、約4年ぶりの主演映画『パラレルワールド・ラブストーリー』での初体験

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 玉森裕太が主演を務める映画『パラレルワールド・ラブストーリー』が、5月31日に公開される。“映像化不可能”と言われ続けてきた累計発行部数150万部を超える東野圭吾の同名小説を、『聖の青春』の森義隆監督のメガホンによって映画化した本作は、愛する女性と自分が恋人同士の世界と、その女性が自身の親友と恋人になってしまった世界、その2つの世界に迷い込んでしまった主人公・崇史の姿を描いたミステリーだ。

参考:玉森裕太、クランクアップで安堵の表情 『パラレルワールド・ラブストーリー』メイキング映像

 主演を務めた玉森裕太(Kis-My-Ft2)は、今回演じた主人公・崇史を「これまでに経験したことのない役柄だった」と語る。森監督とともに作り上げたというその役作りの裏側から、自身の恋愛観やメンバーとの関係性まで、話を聞いた。

ーー『レインツリーの国』以来約4年ぶりの主演映画となりますね。

玉森:もちろんプレッシャーや不安はたくさんありました。でも、やらないわけにはいかないですから(笑)。自分の役どころを含めて大きな挑戦ではあったのですが、現場に行ってしまえば、そこからはすんなりと入り込めたような気がします。

ーー東野圭吾さんの原作小説は読まれましたか?

玉森:読んだんですけど、ものすごく複雑だったので、3回ぐらい読み直しました。1回ではなかなか全てを理解しきれなくて。でも、崇史にはずっと麻由子への想いがあって、彼がすごくピュアな人間だということははっきりと分かりました。自分と照らし合わせてみても、本当に真っ直ぐで純粋なその性格は羨ましいなと思ったりもしましたが、なかなか真似できるものではないなと。

ーー実際に役作りは難しかったですか?

玉森:崇史という役は本当に難しかったです。ネタバレになってしまうのであまり詳細は言えませんが、初めて経験させていただく役柄で、やりながら難しさだったり恐怖だったり、いろんな感情を抱きました。

ーー森監督がオフィシャルインタビューで「玉森さんをかなり追い込んだ」と話していました。

玉森:そうですね。森監督は全体を通してずっと追い込んでくれていました。僕は結構M気質なので、別にそれが苦でもないんです(笑)。そのおかげで出せた表情とかももちろんあると思いますし、全シーンを本当に時間をかけてやらせてもらいました。

ーー森監督とはKis-My-Ft2のショートムービーでも組んでいたんですよね。

玉森:でも、その時はそんなにコミュニケーションを取れていたわけではなかったんです。なので今回、現場にいる監督を見て、「これが森さんの本当の顔なんだな」と感じました。自分でカメラを持ったり、ずーっとアングルを悩んでいたり……すごく丁寧に時間をかけて考えてくださる方なんだなと感じました。あと、監督からは、現場での居方や役へのアプローチの仕方を教えていただいたんです。今までは見て学ぶことの方が多く、あまり言われたことがなかったので、今回改めてそういうことを教えていただけたのは、自分の中ですごく大きかったですし、次にも活かしたいと思いました。

ーー森監督は玉森さんのことを「すごく映画向きな人だなと勝手に思っていた」とも話していました。

玉森:確かに監督から「映画向きだよ」て言っていただきました。でも、今までにそう言われたことがなかったですし、自分では全く何がどうなのかが分からなくて……。監督にその理由を聞くこともしなかったんですけど、そういった言葉一つひとつを大事にして、それを意識しながら、次も何かチャレンジできたらいいなとは思っています。

ーー森監督は、玉森さんの俳優としての最大の資質として、「引き込む力」を挙げてもいたのですが、その点については自分自身でどのように感じていますか?

玉森:ちょっと分かんないですよね(笑)。でも、現場でもよく「引き込んでほしい」とはおっしゃっていました。「出すんじゃなくて、引き込んでほしい」って。でもそれって、すごく抽象的な言葉だし、実際にやろうとするとめちゃくちゃ難しいし、意識すればするほど分からなくなるし……。なのであまり意識しないようにはしていましたが、結果的にはうまくいったのではないかなと思います。

ーー崇史を演じるにあたって、具体的にどのようなアプローチを?

玉森:監督からは、「役以上に自分という人間の内面と向き合ってほしい」と言われたので、まずは自分がどういう人間なのかを考えました。それも今まで考えたことがなかったので、箇条書きでメモに書いていきました。自分の性格や好き嫌い、「自分はこうだけど崇史はこうだな……」みたいなことですね。それも今まで生きてきた29年間の中で初めてやったことかもしれません。それによって、崇史という人間がより明確に見えたと思いますし、あとは現場で監督にその都度いろいろ教えていただきました。

ーー映画の中で崇史は、好きな人と恋人同士の世界と、好きな人の恋人が自分の親友という世界に迷い込むわけですが、玉森さん自身は、親友と好きな人が被った場合、どうするタイプですか?

玉森:僕は速攻引くタイプですね。すぐに諦めます。いろいろ思うことはきっとあると思いますけど、僕は親友を取っちゃうと思います。崇史みたいに「俺の方が先に好きだった」ってなっても、親友と好きな人が付き合ってしまったら、それまた違う話になってきますから。

ーー好きな人と親友が付き合っても、その2人とその後も同じような関係性を築けますか?

玉森:そこは頑張ると思います。めっちゃ顔引きつりながらも、同じような関係性を続けていくんじゃないかな(笑)。

ーー今年2月には北山宏光さんの初主演映画『トラさん~僕が猫になったワケ~』も公開されましたが、メンバー同士でお互いの仕事の話をすることはあるんですか?

玉森:ありますよ。『トラさん~僕が猫になったワケ~』は僕も観て、北山に感想を伝えました。個人的にラストシーンがすごく好きだったので、「あそこすごくよかった」って普通に伝えたら、ものすごく照れ臭そうに「えへ、ありがとっ」って(笑)。結構気持ち悪い顔していましたね(笑)。

ーー(笑)。今回の作品のように玉森さんの出ている作品について、メンバーから何か言われることも?

玉森:いや、僕は聞きたくないんですよ。なので、「言わないで」って言っています(笑)。嫌とかではないんですけど、メンバーに自分のことを言われるのが恥ずかしくてしょうがないんですよね。自分が言うのは大丈夫なんですけど(笑)。

ーー演技をしている時と、Kis-My-Ft2としてグループでの活動をしている時は、何か意識は違うのでしょうか?

玉森:たぶん違うと思います。自分の中で切り替えていると思いますし、テンションや雰囲気も仕事にあわせて作っている気がします。

ーー今回はグループでいる時以上に自分が引っ張っていかなきゃという思いもあった?

玉森:もちろん座長という意識はありながらやっていましたが、僕は分かりやすく「俺に付いてこいよ!」みたいなタイプではないので、特に現場ではそういう感じは出しませんでした。グループの時は特に出していないですけど(笑)。僕はどちらかというと、みんなで作りたいなと思うタイプですね。

ーー今回の作品を通して、ご自身で感じた手応えなどがあれば教えてください。

玉森:お芝居って、やっぱり自分ではない他の誰かの人生を生きられるところに魅力があると思うんです。この作品で演じた崇史もそうでしたが、自分にない考えを持っていたり、自分とは違う生活を送っていたり……それは実際に演じていても、「こういう生き方もいいな」と思えることもありますし、いろいろと学べることも多いんです。いろんな人の人生を生きられるお芝居をたくさん経験することによって、玉森裕太という人間も作り上げられていくと思うので、今後もそういう経験を通して成長できたらなと思っています。(取材・文=宮川翔)