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J☆Dee’Zが明かす、新作で挑戦した“刺激”の数々 マイクロドローンとのMV撮影秘話も

音楽

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リアルサウンド

 J☆Dee’Zが7月25日に両A面シングル『未来飛行/流星のパノラマ』をリリースする。「未来飛行」は、日本工学院のCMソングとして起用され、MV撮影はマイクロドローンを使用するなど、新たな挑戦も。ほかにも『musicる TV』の企画から生まれた「流星のパノラマ」や『SonyMusic presents 全国作曲コンクール』の入賞作である「代わりにこの唄を」など、楽曲面でも外からの刺激を積極的に受けた作品に仕上がっている。

 リアルサウンドでは、前作に引き続きメンバー3人へインタビュー。MVの撮影秘話や各楽曲で表現したことなどを中心に話を聞いた。(編集部)

「音が聴こえたら「奴が来る!」みたいな(笑)」(Nono)

――前回のインタビューからここまで、海外でのライブもあったようで。ベルリンでの公演は、好評のあまり即座に来年のライブオファーもあったとか。

Nono:そうなんですよ! 反応も全然日本と違って、クールなときはとことん静かで、盛り上がると「Foo!」って言いながら、自分が歌うんじゃないかというくらい大きな声を出してくれたりするんです。

ami:みんながパフォーマーみたいな気分だったね。

MOMOKA:前に来る感じもすごくて、その熱狂ぶりに驚きました。

ami:歌でフェイクを格好よく、自分でも「あ、今ハマった」と思う瞬間ってライブ中にあるんですけど、海外ではその瞬間への反応が大きかった印象です。

――確かに、日本だと聴き入るような状況かもしれませんね。個人的には、ここ最近のJ☆Dee’Zが取り入れているブラックミュージックのテイストが、海外のお客さんと好相性だったんじゃないか、と思ったんですが。反応を見て感じた手ごたえや課題などはありますか。

Nono:最近の曲では、みんな横に揺れてノッてくれてました。

ami:さっき話した反応の部分でいうと、まったくノッてくれなかった曲もあったので、自分の中では「ここが足りないんだ」という課題を突きつけられたような気分になりました。

MOMOKA:2日間のライブだったので、それぞれセットリストを変えたんですけど、自分たちが想像していた盛り上がりがない曲は確かにありました。国によってもそれは全然違うんだろうなと思ったので、面白かったです。

――そんな貴重な体験を終えて、今回のシングル『未来飛行/流星のパノラマ』がリリースされます。まずは楽曲よりも『未来飛行』MVの話から聞かせてください。小型のドローンを使って撮影した斬新な映像に仕上がっていますが、撮ってる本人たちからすると、結構な速さで小さい機械が側を通過するわけですから、怖いんじゃないですか?

一同:怖かった!

MOMOKA:側に来ると風が吹いてきて、それもまた怖いんです。小さいヘリコプターみたいで。

ami:結構先にいる時点で羽の音が「ブーン」って聴こえるんですよ。

Nono:そうそう、音が聴こえたら「奴が来る!」みたいな(笑)。

ami:本当は避けちゃいけないんですけど、最初はやっぱり反応しちゃって。でも、やっていくうちに、ドローンがひとつの生物みたいに見えてきたんです。

Nono:ペットみたいって言ってたよね。

ami:そう、いつの間にか「どんどん来て!」って感じになってました(笑)。

未来飛行 / J☆Dee’Z(ジェイディーズ)

――メイキングを見させてもらったんですけど、MOMOKAさんの髪にドローンが絡まっていて、見てるだけで自分もゾワっとしました。

MOMOKA:あれはびっくりしましたね……。しかも、あの絡まった場面って、教室での長回しが上手くいって、最後の最後だったので、そこもショックでした。ちなみに取るのに1時間掛かりました(笑)。

ami:いやー、見てる私からしたら面白くて面白くて。

Nono:ami、めっちゃ笑ってたよね(笑)。

MOMOKA:amiがいちばん楽しんでた(笑)。

――ほかにも自分たちで印象的だった場面は?

ami:2番のサビですね。

Nono:図書室で撮ったんですけど、ひとりひとりドローンに向かってリップシンクして、私がドローンを引き寄せたんです。鬼ごっこみたいな感じになってドローンの死角に入って、追いつかれた時には広い場所に立ってサビが始まる、という流れなんですけど、私たちの移動がとにかく全速力で。

ami:長回しだけど瞬間移動みたいにしたいということで、そういうシーンが生まれたんです。それに、あのシーンが一番ドローンと絡んだダンスを見せるところなんですよ。腕立て伏せ状態の下をくぐったり。すれすれのところを飛んでくるので、ずっと気が抜けない緊張感がありました。

Nono:見てる人も結構ハラハラしそう。

MOMOKA:脚の間も通るしね。

Nono:でも、ドローンが失敗してもいけないし、私たちのダンスも完璧にしないといけないから、その2つが完璧になるときをみんなで待って。1つの場所に3テイクくらいしか掛けられなかったので、1回1回のテイクにおける集中力がすごかったです。だからこそ、最初のほうはわりとシンプルに撮ってたんですけど、途中からかなり遊びを入れるようになって。「ちょっとここで回転入れてみよう」みたいに操縦してもらって、すごく楽しかったです。

ami:最後のサビとか、特にノリノリだよね。場所も広かったし、「自由に動いちゃいましょう」みたいな感じで。

「型にはまってる場所からの一歩を応援する曲に」(MOMOKA)

――最近のJ☆Dee’Zは、MVにおける工夫もすごいですね。ここまでMVで話題を作れていることに対して、ご自身ではどう感じていますか?

ami:すごく嬉しいです。

Nono:前回の「あと一歩」では、ダンス部の生徒さんと関わらせてもらったことでいろんな刺激を受けて。今回もドローンと仲良くなれたし……(笑)。

――曲も撮影場所である日本工学院のCMソングに使われていて、明るい開けたものに仕上がっているんですが、歌詞はただ明るいだけじゃない感じですよね。大人っぽくなってきた中での葛藤も描かれていて、いまのJ☆Dee’Zが持つ魅力が引き出されているなと思いました。

ami:そうなんですよ。言い当ててもらえて嬉しいです。今までも自分たちに置き換えた応援ソングや夢についてのことをテーマにしてきたんですけど、今回はそういったテーマ自体は変えず、綺麗なことだけを描かないようになっていて。結構、後ろ向きなワードも入っているんです。だから自分たち自身も、レコーディングや振付、MV撮影と全部の瞬間に入り込めました。

MOMOKA:同世代の人にも共感してもらえそうな歌詞も多いですよね。同世代に限らず大人の方でも、周りにも必死に頑張ってる仲間がいたりとか、型にはまってる場所から新しいところに行くための一歩を応援する曲になっていると思います。

――今回もSoulifeさんが制作を担当したのでしょうか。らしさも残ってるんですけど、2人にとっても新しい感じのテイストだったので気になりました。

Nono:Soulifeさんです。この曲は1年半前ぐらいからあった曲なんですよ。

ami:「Answer」と同じ時期に作ってくれたんです。

Nono:でも、その時とは全然アレンジも違っています。

am:歌詞に関しては大きなテーマは変わってなくて、ブレてない強さもあるので、ようやくこの曲がリリースできたと嬉しい気持ちになりました。

MOMOKA:1年半前のデモを聴いたら、全然声が違いましたね。

――この曲以外も、これまでの路線を踏まえながら次に挑戦する、という気概が見える曲ばかりのシングルでした。作家陣もこれまでとは違った部分があって。「流星のパノラマ」は『musicる TV』とコラボしたコンテスト企画優勝者の楽曲ですよね。

Nono:最初に聴いたときから、すごく爽やかな曲だなと思いました。初めての第一印象から、頭の中で歌ってる想像ができたというか。なので、レコーディングのときもすごく歌いやすかったです。

MOMOKA:この曲の持っているキラキラ感がすごく好きで。サウンド感もそうなんですけど、語尾の切れ目まで自分自身も意識しながら歌った曲でもあるので。振りは結構身体を広く使う感じです。

Nono:しっかり踊るところと、広く使うところのメリハリがすごいある曲で。曲の抑揚と合っていると思います。

――それは見てみたいですね。「swing swing swing」は今作のなかで一番J☆Dee’Zっぽいかなと思いました。これもSoulifeさんですか?

MOMOKA:そうなんですよ。なんでわかるんですか(笑)。

――グルーヴもしっかりありますし、アコギと4つ打ちの感じがすごく彼らっぽいなと思いました。最近のJ☆Dee’Zはいろんなスポーツの応援歌を歌ってきましたが、今回はプロ野球(tvkベイスターズ戦中継テーマ曲)ですね。

ami:高校野球は「Dream Arch」の頃も「Melody」の頃も関わらせてもらったんですが、プロ野球は初めてで。同世代に向けるのとはまた違いますし、がむしゃらに応援している感じよりは、歌詞とかメッセージ性をもう少しちゃんと伝えるべきと思いながら歌いました。

――たしかに、青春感とか人間ドラマからは離れて、応援することの楽しさを感じさせてくれる楽曲に仕上がっています。

MOMOKA:ライブでもすごいタオル回す曲なんですよ。

ami:スイングもするんです。振付は自分たちでやったんですけど、野球用語がちりばめられてる歌詞なので、そういうところでちょっと遊びたいなと思って。タオルをせっかく持ってるから、そのタオルをバットに見立てて振ってみようとか。逆にボールに見立ててピッチャーの真似をしてみよう、という振付を盛り込んでみたりもしたので。

「全てピタッと揃えば、3文字の言葉でも人は感動する」(ami) 

――見た目的にも楽しめそうですね。あと、『SonyMusic presents 全国作曲コンクール』で入賞した楽曲を起用した「代わりにこの唄を」。これまでのバラードよりも音数が結構少なめですね。

Nono:初めて聴いたときも「これ、私たちが歌ったらどうなるんだろう?」とちょっと不思議な感じがしました。

MOMOKA:最初に聴いたときは、恋愛の曲だと思ってたんですけど、家族に向けての曲だと作ってくださったisotonicさんから直々に聞いて、その気持ちを受け取ると、聞こえ方がまるっと変わってきました。

ami:isotonicさんが私たちと同い年ぐらいの年齢のときに書いた曲らしくて、上京や家族への思いを詰め込んだ1曲で、レコーディング前にはisotonicさんが自分で絵本を作って持ってきてくださって。

――それはなかなか耳にしないエピソードですね。曲調的にはかなりクールな印象ですが、たしかに歌詞は家族に向けてのものなんですよね。だから歌声にも暖かさがあって、3人がこういう曲を歌うというのも新鮮です。

Nono:この曲も結構ハモリが2行ぐらいしかなかったりして、ずっとソロが1声しか入っていないんです。

――歌の数も音の数も最小限なんで、聴き入っちゃいますよね。

Nono:たしかに今回のシングル自体、メンバーが順番に歌うというよりは、MOMOKAからNonoに、そこからamiにいって、みたいな。そういう流れが全体を通して多くて。だから1人のパワーをどんどん積み重ねて、3人のパワーが大きくなるみたいな感じで、すごく気持ちも入りやすくて。

ami:特にDメロは結構な時間をかけて録りましたね。聴いてる人の感情を揺れ動かしたいという気持ちもあったので。慎重に切り替えの部分は考えて臨みました。

――ほかにも歌にフォーカスした部分はありますか?

ami:「未来飛行」のAメロとかBメロは、私たちの曲の中でもレンジがすごく低くて。サビとの落差もすごくて、サビは心地いいほうをとったんですよ。それによって、聞こえ方も変わったと思います。あと、「流星のパノラマ」はいっぱいメロが変わったね。

MOMOKA:そう。もともとあるメロは『musicるTV』のものだったんですけど、そこから1度完成して、これまであったものから大幅に変えました。ハモの積み方も今回は面白い感じになってて。上ハモからCメロの下にいったりとか、それを聴いて欲しいです。

Nono:私は「代わりにこの唄を」の2番サビ最後の〈代わりにこの唄を贈るよ〉の最後の「よ」の場所ですね。MOMOKAがそのあとDメロを歌うんですけど、私がその歌い出しまで音を伸ばすという場所があって、すごく難しかったです。

――それだけ全体的に声で遊べたりとか、工夫できたりとか、伸ばすことが多くなってきたというのは、本当に歌唱力が上がったからだと思いました。

ami:嬉しいです。

Nono:ライブでももっとCD以上のクオリティというか、それ以上のものを伝えられたらいいなと思います。

――ライブといえば、3年ぶりのライブツアーも開催されるんですよね。

MOMOKA:ワンマンやリリースイベントは結構やってきたんですけど、東名阪ツアーとしてハコを使うのはもう3年ぶりですから。

ami:3年も経つと、初めてに近いです。

――この2年間の間に加わった新曲たちを存分に披露する機会ですね。

MOMOKA:さっきNonoも言ってたんですけど、CD以上のクオリティーを見せられるのがライブの魅力だと思いますし、私たちの場合はダンスというもう1つの表現の方法があるので、歌と組み合わさってできるパワーはまた、違うものになっていると思います。目と耳で楽しんでもらえるものを作れるのがライブですし、生バンドもいるので、リアリティがすごく感じれるライブになると思います。

――そのうえで、次に挑戦したいことは?

ami:当たり前のことが意外と当たり前にできてないから見直そう、というのは、今回のツアーに向けて徹底的にチェックしています。ハモリも、ただ2人が違うメロを歌ってるんじゃなくて、1人が2つの声を出してるんじゃないかってぐらいシンクロして、入りもしゃくりも終わりも全てピタッと揃えば、たった3文字の言葉でも人は感動すると思いました。でも、まだそのレベルには到達できていないので、一つずつ、振り返りながら自分たちのレベルを上げていきたいです。

(取材・文=中村拓海/撮影=林直幸)

■リリース情報
『未来飛行/流星のパノラマ』
7月25日(水)
初回仕様盤(CD)¥1,200 (税込)
初回生産限定盤(CD+DVD)¥2,000(税込)
<CD>※初回通常共通
M1.未来飛行
M2.流星のパノラマ
M3.swing swing swing
M4.代わりにこの唄を

<DVD>※初回生産限定盤のみ収録
『J☆Dee’Z LIVE 2018 –Feeeeel!!!- @渋谷WWW X』
1.Melody
2.Crazy For You
3.三月
4.全部好き。
5.Dream Arch
6.カラフルジャンプ
7.あと一歩

■ライブ情報
『J☆Dee’Z SUMMER LIVE TOUR 2018~未来飛行~』
8月19日(日)名古屋RAD HALL
8月26日(日)OSAKA MUSE
8月29日(水)SHIBUYA CLUB QUATTRO
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■関連リンク
J☆Dee’Z公式サイト