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前田敦子、加瀬亮、染谷将太が「旅セカ」黒沢清の演出を語る

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「旅のおわり世界のはじまり」メイキング写真

「旅のおわり世界のはじまり」のキャストが、同作の監督・黒沢清の演出を語った。

“舞台で歌う”という夢を胸に秘めたテレビ番組リポーター・葉子が取材のためにウズベキスタンを訪れ、さまざまな出会いによって成長していく姿を描いた本作。前田敦子が葉子を演じ、番組クルー役で加瀬亮、染谷将太、柄本時生が出演した。

「Seventh Code」「散歩する侵略者」に続いて3度目の黒沢組参加となった前田は、「役柄について最初に説明してくださった際、『愛想笑いはしないでください』と言われたのを覚えています。むしろ劇中の葉子には常にちょっと不機嫌でいてほしい、と」と黒沢との会話を回想。「今回の現場では、ドキュメンタリーっぽい撮り方をしたシーンが多くて。例えば葉子がリポートをしたり、街を1人で歩いたりする日常の場面は、ほぼ演出がありませんでした。監督が『普段の前田さんの感じでお願いします』とおっしゃるので、かえって戸惑ったりもしたんですけど」と笑う。

そして前田は「その一方で、役者としてしっかり向き合わなきゃいけない場面では、短い言葉で余分なものを削ぎ落としてくださるんですね」と述懐。「『こうしてください』ではなく、『それは必要ありません』という黒沢監督らしいやり方で、葉子という役柄に自然に近付けてくださった気がします」と撮影を振り返った。

優秀だがどこか仕事に倦んだカメラマンの岩尾を演じた加瀬は、「黒沢監督はいつも、位置と動きを明確に指示してくれます。それ以外のことはほとんど口にされません」とコメント。「でも動きが明らかになると、役者はそのほかの部分が不思議と自由になって、自然と多くのことを感じるようになるんです」と続ける。

テレビ映えする映像ばかりを気にして現地の人と触れ合えないディレクター・吉岡を演じた染谷は「思った以上にカットを割らず、カメラを引いて世界を大きく捉えておられるのが、個人的には印象的でした」と黒沢の画作りに言及。「普通の現場だと、カットを重ねるうちに、編集のテンポみたいなものが俳優にも想像できるようになってきます。今回はそれがまったく読めなかった。それでいて監督には確かな狙いがあり、ものすごく攻めた撮影をされていることも肌で感じられて、とにかく仕上がりが楽しみでしたね」と語った。

「旅のおわり世界のはじまり」は6月14日より全国で公開。

(c)2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO