今日の広瀬すずは「半分、青い。」 『なつぞら』川島明がスケッチするファッションの重要性
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新作アニメーションのキャラクター検討会にて、なつ(広瀬すず)と麻子(貫地谷しほり)の意見がぶつかる。牛若丸の母である、常盤御前の絵をめぐってのことだ。
晴れてアニメーターとして出発することとなったなつ。朝ドラ『なつぞら』(NHK総合)第69話では、彼女が漫画映画を作る者としての心構えを知る姿が描かれた。
【写真】下山(川島明)となつ(広瀬すず)
20歳の誕生日を迎えたなつだが(本日は広瀬本人の21歳の誕生日でもある!)、なかなか彼女の心は晴れない。どこかにいるはずの生き別れた妹・千遥のために絵を描く決心をしたものの、やはり気がかりでしょうがないのだ。
そんななか行われたキャラクター検討会。なつの描いた優しげな表情の常盤御前が候補に挙がるが、それとは反対に、麻子の描いた厳しい顔つきの常盤御前も選出される。実在した人物とあって、歴史的背景からキャラクターを立ち上げた麻子に対し、なつは自身の感情にそって描いた。「怖い母親を、子どもに見せたくない。漫画映画は子どもが見るもの」というのが、なつの言い分だ。 しかし井戸原(小手伸也)は、常盤御前にはその両方があるはずだと言う。両者とも、一人の人物のことを一面的にしか捉えられていなかったのだ。
昼食時間、落ち込むなつのもとに、下山(川島明)がやってくる。以前一度着ていた洋服を今日も身に着けていることから、なつが何か悩んでいるのだと彼は推察したらしい。そうなのだ。下山は毎日なつのファッションスタイルを、スケッチブックに写している。今日の格好は数日前のと同じもので、上下が「半分、青い。」服装だったのである。
優しい笑顔でなつの悩みを聞こうとする下山に対し、なつは他の人の身に起きたこととして千遥のことを語りだす。戦後の混乱期に家出した少女のことを警察に届けていた場合、その安否について、ちゃんと知らせが来るものだろうかというものだ。元警察官の下山は、自身の身の周りにかつてあった、とある少女をめぐる話を語りだす。「奇跡」の存在を疑っていたなつだが、「奇跡みたいなもんは案外、人間が当たり前のことをする勇気みたいなものだ」という下山の言葉に背中を押される。
さて、そんななつのもとへ、麻子とともに仲(井浦新)から呼び出しがかかる。なつと麻子、どうやら二人の絵を合わせるかたちで仲が描いてみたらしい。なつはその絵を見て、北海道の母を思い浮かべて描いたこと、そして子どもの目線ばかりになろうとしていたことを反省する。しかし麻子は麻子で、生い立ちだとか理屈ばかりを考えていたことを反省する。感情と理屈、どちらも大切なのである。なつは検討会での麻子に対する振る舞いを謝るが、麻子は「口に出したことは仕事で責任を取るしかない」と言って聞かせる。そうなのだ、今はただただ、アニメーターとしての一歩一歩を力強く踏み出していくしかないのだ。
(折田侑駿)