生田斗真のクランクアップに「三島」コール 『いだてん』復興運動会の裏側に密着
映画
ニュース
関東大震災により、壊滅状態となった東京が映し出された『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK総合)第23回の放送。午前11時58分に起きた悲劇から、画面に映し出されたのは、ボロボロになった街と人の姿だ。
四三(中村勘九郎)と増野(柄本佑)はシマ(杉咲花)の名前を呼び続ける。絶望に暮れる2人の前に現れた清(峯田和伸)は四三との再会に歓喜し、「喜びは喜びで思いっきり声にださねえと」と伝えるのだった。スポーツで人びとを元気づけるアイデアを思いついた治五郎(役所広司)が、神宮外苑競技場で「復興運動会」を開催する。明日6月23日放送の第24回で描かれる、地震から立ち上がる人々の笑顔が見えた現場を取材した。
この日の現場に顔を揃えていたのは、中村勘九郎、綾瀬はるか、永山絢斗、森山未來、橋本愛、峯田和伸、黒島結菜、菅原小春、杉本哲太、古舘寛治、岩松了、柄本佑、役所広司ら。そしてこの日、生田斗真、満島真之介、山本美月、シャーロット・ケイトフォックス、寺島しのぶの5名がクランクアップを迎えた。
現場では、それぞれ時代に合わせた衣装に身を包んだ大勢のエキストラが集い、歓声のタイミングやリアクションの演出を受けていた。このシーンには、劇伴の録音に参加しているミュージシャンたちも登場。大友良英スペシャルビックバンドのメンバーたちは、レース前のファンファーレの音楽を奏ででいた。
役者たちの現場での様子を観察していると、満島や生田の周りには少しでも時間が空くと子役の子どもたちが集まり、賑わいを見せていた。増野役の柄本は、長丁場の撮影で疲れてしまった赤ん坊役の子供が泣いてしまうと、「もうやだよなぁ」とあやしながら、お母さんに手渡してケアをする場面も。エキストラと役者たちの垣根のない現場の雰囲気を感じた。
撮影が終盤に近づいた頃に、クランクアップするキャストたちが一人一人、大友良英スペシャルビックバンドの演奏と共に紹介され拍手が巻き起こる。天狗倶楽部の名物男であり吉岡信敬を演じた満島は「どうもありがとうございました、みなさん! 去年の4月から撮影が始まり、もうそろそろ1年が経とうとしてます。ずっと裸になり続け、今日も裸にさせられそうになり、死守しました最後は! 私、人間です! 洋服着てます!」と最後まで笑いを起こした。
女性記者・本庄を演じた山本は「毎回可愛らしい衣装とヘアメイクでとても楽しい現場でした。まだまだこれから撮影が続くと思いますが、体調を崩さないように皆さん気をつけて頑張ってください。ありがとうございました」と感謝を伝えた。
日本のスポーツ推進に貢献した兵蔵(竹野内豊)の妻・安仁子を演じたケイトフォックスは「本当にありがとうございました。皆さんとご一緒にできて、とても光栄です」と涙を流す。見守るような温かな笑いに包まれながら、「ちょっとさみしいですが、これから頑張ってください」と残る共演者、スタッフにエールを送った。
女子体育を普及させた第一人者である二階堂トクヨを演じた寺島は「昨日カツラをぶっ飛ばしてもぬけの殻になるくらい、やりきった感が満載でございます。皆さんを残して行きますが健闘をお祈り申し上げます。もろもろ大変だと思いますが、頑張ってください」と笑いを起こしつつ、コメントした。
最後にはディレクターから「もう一年以上前から走り始めましたね。三島さん全編終了でございます! お疲れ様でした」と声がかかると、現場ではお馴染みの「三島」コールが巻き起こる。盛大な拍手が送られたあと、生田は「どうも皆さんお疲れ様でした。ありがとうございました。こんなに楽しいドラマに参加させていただいてすごく嬉しかったです。特にストックホルムに行って、実際に三島弥彦さんと金栗四三さんが走った会場で走らせていただけたのは、この上ない幸せな時間となりました」と感謝を述べた。
最後には、ここまで本作を引っ張ってきた中村について「本当に長い撮影がまだまだ続くと思いますが、僕の大切な大切な友達の金栗くんを最後までよろしくお願いいたします」と挨拶。生田と中村が熱い抱擁を交わし、握手で締めくくった。
『いだてん』前半戦の集大成となる「復興運動会」で人々が走り抜ける姿、そして、このシーンがラストとなる役者たちの奮闘を見守りたい。
(大和田茉椰)