『なつぞら』雪次郎が相対する大きな試練 夢を幻で終わらせない本気の見せ方に注目
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雪次郎(山田裕貴)にとっての大きな試練である。
北海道から東京にやって来た雪次郎の家族。『なつぞら』(NHK総合)第74話では、なつ(広瀬すず)が妙子(仙道敦子)やとよ(高畑淳子)たちと再会したわけだが、小畑家の人々は、とにかく雪次郎のことが心配でならない様子。まずは「風車」の奥の部屋で、咲太郎(岡田将生)から雪次郎についての近況を知ることになるのだが、夢を追いかけることを巡り、小畑家と咲太郎の間で意見が割れる場面も。
夢を追うのは良いが、それは“幻”かもしれないと、とよは主張する。一方、咲太郎は“幻”でもいいのではないかと反論。「夢か“幻”か追ってみなければ分かりません」と咲太郎は言い返したのだった。また、「雪次郎はね、菓子職人になるっていうちゃんとした夢があったんだ」と言う雪之助(安田顕)に対して、「だからそれを、本人が“幻”だと思ったんでしょ」とぶつける咲太郎。小畑家の人々が雪次郎の将来を案じるのはもちろんのことだが、一人の若者が夢を追うことに関しては、咲太郎なりの思いがあるようだった。その後、小畑家一行は川村屋に頭を下げに行く。土下座までして謝る雪之助たちは、心の底から申し訳ないと思っているようだった。
そしていよいよ、雪次郎が身を寄せるアパートの一室に、雪之助たちが足を運ぶことになるわけだが、その直前に咲太郎が雪次郎にかけた言葉には、少し厳しいものも含まれていた。
「本当に家族を捨てる覚悟があるのか?」
夢か幻か。咲太郎の言うように、確かに追いかけてみなければわからないものなのかもしれない。でも、雪次郎の心の中には、演劇に対する熱い思いがちゃんと存在しているはずだ。なつが「雪次郎くんは本気です。本気で演劇が好きなんです」と言っていたように、“本気”であることはきっと事実なのだろう。あとは、その“本気”を雪次郎がどう家族に伝えるかにかかっている。“幻”で終わらせないためにも、雪次郎の“本気”の見せ方に注目が集まる週となりそうだ。(國重駿平)