窮鼠はチーズの夢を見る
窮鼠はチーズの夢を見る (C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会
行定勲監督はしばしば恋愛映画の名手という形容詞で語られる。そのことに異論を唱える気はない。
ただ、本作は、これまでにない行定監督の恋愛ドラマといっていいかもしれない。
ここで描かれる恋愛は、単なる男同士の愛ではない。相手への好意と性の欲求が濃密に結びついていることを、赤裸々に描いている。ここまで愛と性が密接に結びついている行定監督の恋愛映画は、これまでなかった気がする。それほど、ここで描かれる愛は艶めかしい。
恋愛映画の名手の新境地を感じさせる1作といっていいだろう。