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異端の鳥

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問題作。噂には聞いていたが、すごい映画だった。人間のダークサイドが凝縮されている。 残虐で、まさに目を背けたくなるシーンが次々と出てくるので、そういうのが苦手な人は、そういう場面になりそうな気配を感じたら、眼を閉じたほうがいい。 テーマは深刻だし、モノクロームでの映像表現は秀逸だし、観ておくべきとは思うが、万人向けではない。 あらすじとして、「ナチス時代の東欧が舞台で、ユダヤ人少年が一人でさまよい、さまざまな人と出会い、成長していく話」と書いても、嘘ではないが、そんな心温まる物語ではない。 出会う人全て、男女問わず、若者も老人も、全てが悪人で、殺しあう。 第2次世界大戦中の東欧らしき地域が舞台だが、人間味があるのは、ドイツ兵とソ連兵という皮肉。 少年の「成長」とは、飼っていた犬が殺されると丁寧に埋葬していたナイーヴな少年が、自分を殴っただけの見知らぬ人を、無表情に殺すまでの「変化」なのだ。つまり、もうひとりのアナキン・スカイウォーカーの物語なのかもしれない。 少年がさまようシーンは、『砂の器』の後半を思い出す人もいるだろうが、あんな甘いものではない。