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銘酒のような“昭和の日本映画”を厳選
太田 和彦
エッセイスト、居酒屋評論家
鶴田浩二の博奕打ち〈レイトショー〉
20/10/10(土)~20/11/30(月)
ラピュタ阿佐ヶ谷
『総長賭博』(10/31〜11/6)ラピュタ阿佐ケ谷 レイト「鶴田浩二の博打打ち」(10/10〜11/30)で上映。 代わり映えしない話をシリーズもので繰り返すうち、その美点のみが奇跡的に結晶することがある。仁侠映画のこれはその代表例。「あたかもギリシャ悲劇を思わせる」と三島由紀夫が感嘆したとおり、物語も、台詞も、映像も、カット割りも、寸分の隙もない完全な映画。自重を説く鶴田浩二に激情で対する若山富三郎の二人真横からのショットの緊迫感、雨中の墓参で真っすぐに傘を持ってたちすくむ鶴田。名作中の名作。
20/10/25(日)