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時代と向き合う映画を鋭い視点で紹介
佐々木 俊尚
フリージャーナリスト、作家
ソング・トゥ・ソング
20/12/25(金)
シネマカリテ
時系列が行ったり来たりして物語を追いにくく、観る人を選ぶ作品ではある。しかしエマニュエル・ルベツキの撮影が素晴らしく、広角レンズで描かれれる映像は俳優たちへのクローズアップでありながら、その背後に広い世界が見える感覚をもたらしてくれる。独白と美しい音楽だけで物語は進み、一見して淡々としているように見えるけれども、実は非常にドラマチックな物語であるという二重構造とともに、今までにない映画体験であるのは間違いない。動と静のダイナミズムというのはこのような映像を言うのだろう。
20/12/24(木)