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杉本 穂高
映画ライター
Away
20/12/11(金)
新宿武蔵野館
アニメーションは画面に映る全てのものが意図して作られているはずで、実写映画のような偶然が入り込む余地は極めて少ない。即興芝居には、段取り芝居とは違う魅力があるが、アニメーションで即興をやることは難しい。しかし、この映画はアニメーションであるにもかかわらず、それがある。 本作は、脚本も絵コンテもなしに即興的に制作された。舞台を作り、キャラクターを置いて、カメラポジションをその都度決めて、監督自身も次の展開がわからないままに制作を進めた。3DCGのリアルタイムレンダリングが可能にしたやり方だが、従来のアニメーションにはない、意外性や偶発性を感じさせる映像に仕上がっている。本作の登場は、実写とアニメーションの壁を取り払う決定的な一打かもしれない。
20/12/11(金)