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鈴木 芳雄

編集者/美術ジャーナリスト

桑久保徹 A Calendar for Painters without Time Sense. 12/12

ゴッホを彷彿とさせる筆触でシュルレアリスティックともいえる風景や人物、あるいは演劇的な情景を描いてきた桑久保徹が近年取り組んでいるのが、美術史上の巨匠の仕事を空間的時間的に分解して大きなカンヴァス1枚に再構築する仕事…という説明でわかるだろうか。フェルメール、ボネール、ゴッホ、ムンク、モディリアーニの作品がそれぞれのキャンバスに収まる。フェルメールなら、現存30数点の作品が。ゴッホなら星月夜を背景にあの作品もこの作品もそこにある。あの名作絵画も、あの有名な彫刻も入ってる入ってると確認できるし、アトリエにあるものやその画家にまつわるものも描いこんである。しかも桑久保ならではの描き方で。これは美術ファンなら誰もが好きな絵だ。ただし、印刷物やモニタ画面で見るよりも実物の絵を見てこよう。そもそも絵を楽しむってそういうこと。

20/12/19(土)

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