2002年にデュオを結成したリコーダーの太田光子とチェンバロの平井み帆。名コンビはイタリアバロック音楽の変遷をシリーズで採り上げている。今回はCD発売記念も兼ねたコンサートで、テーマは17世紀イタリアの室内楽。チーマ、バッサーノ、フォンターナといった作曲家の作品が演奏される。
この時代のリコーダーはきわめて明るく開放的な音が出せて、細かな音符の技巧的パッセージや即興的に歌い上げるフレーズは、まさに笛で奏でる「イタリアの歌」そのもの。これぞ初期バロックの醍醐味。イタリアンタイプのチェンバロと合奏した時の華やかさは格別だ。
ふたりの演奏からは、イタリアの青空や風、太陽の輝きまでもが感じられる事だろう。