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夏目 深雪
著述・編集業
SLEEP マックス・リヒターからの招待状
21/3/26(金)
シネマカリテ
『戦場でワルツを』『メッセージ』など映画音楽でも活躍するマックス・リヒター。彼が作曲した8時間以上ある楽曲が、真夜中から明け方まで野外で演奏され、それをベッドで聞く観客は寝ても、歩き回っても自由。そんな前代未聞のコンサートを追ったドキュメンタリー。 観客が寝袋に入って鑑賞する上映会はツァイ・ミンリャンも開催したことがあるし、「眠り」「夢」はアピチャッポンがずっと追っているテーマでもある。リヒターのアーティストとしての歩みやパートナーとの関係など挟まれる小話は観客が見た夢のように美しい。辺りが明るくなって人々が目を覚まし始め、音楽がクライマックスを迎えたあと、映画は幕を閉じる。それ自体が夢のような映画である。
21/3/4(木)