幅広いジャンルと役柄を見事に乗りこなしてきたフランスの名女優、カトリーヌ・フロがこの映画で演じているのは、かつては数々の新種のバラを開発していたけれど、今は父親から譲り受けたバラ園も倒産寸前の危機に見舞われている頑固な育苗家。一緒に働くことになったワケありの3人とともに、起死回生を目指す姿が描かれています。
大企業を倒すべく新品種の交配のための計画を実行していくのですが、これがなかなかの破天荒ぶりで楽しい!
強がりではなくひとりでも自立して生きていける彼女が仲間たちとまるで家族のような関係性を築いていく展開には、心にすーっと爽やかさが広がるような押しつけがましさのない感動が。現代社会における弱者の立場に向ける視線も温かく、バラ栽培や品種改良、香りのプロをめぐるお仕事ムービーとしての見応えもあります。