最高! 傑作スリラーが誕生した。流石、超人気漫画家・浦沢直樹作品群を陰で支える長崎尚志。これがオリジナル作品だとは! まず冒頭15分で掴まれる。テレビで放送できないほどの戦慄。漫画家の卵（菅田将暉）が惨殺現場を目撃したことをヒントに描いた作品で人気漫画家に成長するのだが、次第に彼の描いた殺人漫画の通りの殺人事件が起きるようになる。果たして彼は次の殺人を描くのか……。全編を通した緊張感が心地よい。菅田は足し算の演技で狂気を増してゆき、小栗旬と中村獅童が落ち着いた引き算の芝居で物語をアダルトに引き締める。そしてなんといっても、歌手SEKAI NO OWARI のFukaseの圧倒的な存在感。こういう新鮮なキャスティングが映画を息づかせるのだ。新人賞は確実。

21/6/3(木)