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監督、俳優…新しい日本の才能に注目(2018年6月〜2022年12月まで担当)
野村 正昭
映画評論家
アフリカン・カンフー・ナチス
21/6/12(土)
シアター・イメージフォーラム
「実は生きていたヒトラーと東條英機が、亡命先のアフリカ、ガーナで現地の人々を制圧、世界征服のために最強武闘会を開催する」という、どう考えても滅茶苦茶な話だが、一体これはどこの国の映画なのか。まず日本在住のドイツ人監督セバスチャン・スタインがアフリカへ乗り込み、“ガーナのジョージ・ルーカス”(何て形容だ!)として知られる伝説的監督ニンジャマンと出会い、共同監督。東條英機役は普段は便利屋を営む一般人、秋元義人が便利屋の仕事として請負い、アフリカロケへ同行して熱演。というわけでガーナ、ドイツ、日本の合作として実現したが、ガーナ人俳優たちの上手いのか、下手なのか、よく分からない演技に加えて、日本語字幕は「関西弁」仕様。もう脳味噌が溶けてしまいそうな傑作ならぬ快作だ。もしメイキングが存在するならば、そっちもぜひ観てみたい。
21/6/5(土)