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相馬 学
フリーライター
返校 言葉が消えた日
21/7/30(金)
TOHOシネマズ シャンテ
台湾製人気ゲームの映画化という予備知識がなくても、このホラーはドキドキできるし、確かな手ごたえを残す。 舞台となる半世紀前の台湾は恐怖政治、いわゆる白色テロの時代で、言論や思想の自由がなく、密告が横行していた。そんな中で、若い教師たちの手引きで禁制の書物に触れていた高校生たちが、廃墟と化した校内で現実とも幻想ともつかぬ怪奇現象を体験する。 襲いかかるクリーチャー、行く手に待つ絞首用の縄、そしておびただしい血痕。歴史の暗部を踏まえ、その恐怖を幻想的に表現しつつ、切ない青春劇をも展開させるストーリーの妙に唸った。台湾で映画賞を受賞したのも納得の力作。『サイレントヒル』好きにもオススメしたい。
21/7/30(金)