ヴィンチェンツォ・ベッリーニ(1801-1835)はイタリアのシチリア島生まれの作曲家。33歳の若さで亡くなりましたが、彼の残した『夢遊病の女』『ノルマ』といったオペラは、いまでも多くの人に愛され、世界中で演奏されています。彼以前のロッシーニ、後に続くヴェルディやプッチーニといった作曲家と対比したとき、短い人生ではありましたが、彼がイタリア・オペラに残した影響の大きさをあらためて感じます。
『清教徒』の初演は1833年。その8カ月後にベッリーニは亡くなったため、これが遺作となりました。主人公のエルヴィーラ(ソプラノ)とアルトゥーロ(テノール)ともに超絶技巧が要求されるアリアの数々が聴きどころ。さらに、17世紀のイングランドにおける〈清教徒革命〉を背景に、運命に翻弄される人々を描いた歴史大作としても楽しめます。
公演は9月10日(金)、11日(土)、12日(日)、新国立劇場オペラパレスにて。総監督は折江忠道さん、指揮は柴田真郁さん、演出は松本重孝さん、管弦楽は東京フィルハーモニー管弦楽団。出演はダブルキャストで、エルヴィーラ役に佐藤美枝子さん(10日/12日)、光岡暁恵さん(11日)、アルトゥーロ役に澤崎一了さん(10日/12日)、山本康寛さん(11日)ほか。合唱は藤原歌劇団合唱部、新国立劇場合唱団、二期会合唱団。