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クラシック業界ご意見番

東条 碩夫

音楽評論家

読売日本交響楽団 第241回土曜マチネーシリーズ

沖澤のどかが読響を初指揮     日本の若手指揮者の抬頭が目覚ましい。その「希望の星」のひとり、女性指揮者の沖澤のどか━━2018年に東京国際音楽コンクール優勝、2019年ブザンソン国際指揮者コンクール優勝などの経歴を持ち、その後ベルリンに本拠を置きつつ日本国内各オケに客演を展開中の人だ。その緊迫感あふれる構築のうちに瑞々しい表情を湛えた指揮は素晴らしく、最近の女性指揮者の逸材と呼んで間違いない。 今回の読響初指揮は、当初予定の山田和樹に代わっての登場である。山田が「来日」出来ないのは残念だったが、彼女の指揮は、それを補って余りあるだろう。シベリウスの「第2交響曲」では、壮大なクライマックスが聴衆を沸かせるのではないか。 しかもこの日は、ドイツのベテラン・ピアニスト、ペーター・レーゼルがベートーヴェンの「第1協奏曲」を弾く。彼はこれがあるいは最後の来日になるかもしれないので、その滋味ある「魂の演奏」は聴き逃せまい。 ちなみに沖澤のどかは、10月15日に京都市響にも客演する。こちらはドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」やラヴェルの「ダフニスとクロエ」などフランスの名曲プロだ。

21/10/1(金)

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