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平辻 哲也
映画ジャーナリスト
キャッシュトラック
21/10/8(金)
新宿バルト9
『エクスペンダブルズ』『ワイルド・スピード』シリーズのジェイソン・ステイサムとガイ・リッチー監督が16年ぶりにタッグを組んだクライム・アクション。2人のデビュー作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』から数えて4度目になるが、題材がマッチして、スリリングに仕上がった。 LAにある現金輸送専門の警備会社に、訳あり風の男が入社。欧州の警備会社で働いていたという経歴の持ち主だが、入社試験の成績は合格ギリギリ。ところが、ある日、強盗に襲われると、驚くほど高い戦闘スキルで犯人全員をあっという間に殺してみせる……。 復讐劇の仏映画『ブルー・レクイエム』(2005年公開)のリメイクだが、物語の広げ方を大きく変えている。「この男は一体、何者なのか」というミステリーをより強め、ラストにハリウッドらしい大銃撃戦という大仕掛けもあって、ツボを抑えている。リッチー監督は往年を思わせる群像アクション『ジェントルメン』も今年公開。得意分野で、もっと見せてほしい。
21/10/4(月)