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日本映画の新たな才能にフォーカス

イソガイマサト

フリーライター

劇場版「きのう何食べた?」

よしながふみの原作コミック第8巻の人気エピソードをベースにした本作は、ドラマ版の味わいやファンが映画でも観たいと思っていたに違いない定番のディテールを残し、オリジナルキャストのエピソードをバランスよく散りばめながらも、映画ならではの深みを加えていたのが印象的だ。シロさん(西島秀俊)のいつもと違う行動や優しさに触れ、ケンジ(内野聖陽)が勝手に不安になる導入部が大いなる伏線になる構成がまずは絶妙。マイノリティの人たちの苦しみや悲しみ、彼らのことを頭では受け入れても身体が受け入れられない人たちの葛藤などもさらりと描いているし(脚本は『コード・ブルー-ドクター・ヘリ緊急救命-』3rd season、『透明なゆりかご』『おかえりモネ』の安達奈緒子)、この作品のもうひとつのウリでもある料理シーンを丁寧に見せることも忘れていない。どう見てもアドリブでしょ? 西島さん、マジで笑ってるでしょ!って思える遊び心が感じられるシーンも微笑ましい限りだ。まあ、ちょっと長いかな~とは思ったけれど、“何食べ”の世界にいつまでも浸っていたい人たちにとってはこれぐらいがちょうどいいのかも。

21/11/2(火)

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