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水先案内人のおすすめ

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政治からアイドルまで…切り口が独創的

中川 右介

作家、編集者

カオス・ウォーキング

翻訳もされているが、日本ではそれほど有名ではないパトリック・ネスの大長編SF『混沌の叫び』シリーズ第一作『心のナイフ』の映画化。 西暦2257年、人類は宇宙へ進出しており、辿り着いたある星が舞台。 はるか未来の物語だが、未来都市とかロボットとかは出てこない。植民地とした惑星で人類が新たな文明を築く。ビジュアルは西部劇。 その星の細菌のせいで女性は死んでしまい、少人数しかいない。「男だけの世界」。さらに男たちは思っていることが「ノイズ」として他人に聞こえてしまう。だから、ウソがつけない。 そういう奇抜な設定。そこに地球からの探査船が墜落して、女性ひとりが生き残る。これをデイジー・リドリーが演じ、古い巨大宇宙船のなかを探検するシーンは、どうしても『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を思い出す。 資料によると、いったんできたが、かなり撮り直したとかで、製作は難航したようだ。 ラストで、ようやく物語が本格的に始まるといった感じで、これは長い長い物語の序章部分だと分かる。続編、シリーズ化の構想があるとは思うが、ヒットしないとこれ一作で終わってしまう。SFファンは観に行ってほしい。

21/11/9(火)

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