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ジャンル横断、センスのいいセレクト
立川 直樹
プロデューサー、ディレクター
天才ヴァイオリニストと消えた旋律
21/12/3(金)
新宿ピカデリー
第二次世界大戦下のロンドン。9歳で出会い、ともに育った同い年のマーティンとドヴィドル。やがて将来有望なヴァイオリニストとして成長したドヴィドルは、デビューコンサートの日に忽然と姿を消してしまう。それから35年の月日を経て、その真相を追求するマーティンを名優ティム・ロスが演じて驚きのストーリーが展開していく『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』は、宣伝文句の“極上の音楽ミステリー”という言葉に素直にうなずける映画だ。監督は1998年に『レッド・バイオリン』という忘れ難い名作を作ったフランソワ・ジラール。パガニーニの「24の奇想曲」、ブルッフの「ヴァイオリン協奏曲 第1番」などのクラシック楽曲とハワード・ショアの書き下ろした音楽も実にうまく使われている。全体のトーンは暗いが、間違いなく“いい映画”だ。
21/11/27(土)