「東洋の魔女」と言う言葉を聞いて、ピンとくる人は、やはりある年齢以上に限られるだろう。今から57年前、前回の東京オリンピックで圧倒的な実力を見せた女子バレーボール代表チームで、世界から「東洋の魔女」と恐れられた彼女たちのことを、当時まだ小学生だった筆者も鮮烈に記憶している。 秘密兵器・回転レシーブ、そして「鬼の大松」監督に率いられた彼女たちは、その後、どんな人生を送り、日本中を感動と興奮の渦に巻き込んだ当時をどう思っているのか。80代に差し掛かった彼女たちの証言、当時の貴重なフィルム、そしてバレーボールブームの中で作られたアニメ『アタックNo.1』のフッテージを駆使して、映画で丸ごとタイムスリップする作品になっている。フランス人監督ジュリアン・ファロの日本文化へのアプローチと言う視点が映画を興味深いものにしている。

21/11/28(日)