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ジャンル横断、センスのいいセレクト
立川 直樹
プロデューサー、ディレクター
アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド
22/1/14(金)
新宿ピカデリー
『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』は何とも不思議な魅力を持った映画だ。ベルリンのベルガモン博物館で楔形文字の研究に没頭する学者アルマが研究資金を稼ぐため、特別な実験に参加するのを決めるが、そこに現れたのは、アルマの性格とニーズに完璧に応えられるようにプログラムされた高性能AIアンドロイドのトム。その設定がまずおもしろいが、ミドルエイジクライシスに直面する女性をアンドロイドが救うラブロマンスでありながら、アルゴリズムがはじき出した居心地の良さに人間が溺れる危険性も匂わせ、哲学的な問いを投げかける作品になっていて、早くも2022年度アカデミー賞国際長編映画賞ドイツ代表作に選出された。監督は女優としても評価が高いマリア・シュラーダー。トムを演じるのは『ダウントン・アビー』のダン・スティーヴンス。アルマを演じるのはベルリン国際映画祭で史上初の性別を問わない「主演俳優賞」(銀熊賞)に輝いたマレン・エッゲルト。“ニューヨーク・タイムズ”の「珍しくて優しい小さな映画」という表現が言い得て妙だ。
22/1/3(月)