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水先案内人のおすすめ

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日本美術、西洋美術をバランス重視で

木谷 節子

アートライター

深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」

器の中に樹脂を流し込んではその表面に金魚を描いていくことで、本物とみまがう立体的な金魚絵を描く深堀隆介。近年ますます注目されている彼の、上野の森での個展である。まず声を大にして言いたいのは、「深堀隆介の金魚は、工芸作品ではなく、絵画ですから!」ということ。とはいえ、初めて観る人は絶対驚くに違いないその超絶技巧は、やはり試行錯誤のうえに確立されたものだった。それがわかるのが会場に入ってすぐの場所に並ぶ《金魚酒》の数々。枡の中の金魚を描いたそれらは、最初の方はぎこちなく、正直失敗作のようなものもあるのだが、それがどんどん自然で立体的になっていく。「深堀金魚は1日にしてならず」を実感させられるコーナーだ。そんな金魚たちがやがて四季折々の風情の中で泳ぎだし、その優雅な姿にうっとりしていたら、突然アニメキャラみたいなコミカルな金魚が現われて……。深堀金魚はこの後、どう進化するのか? 興味津々である。

21/12/28(火)

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